激動の2020年。下町・亀有のミリタリーバーで愛と平和を語る

 激動の2020年の幕開けだろう。イランを巡る危機、某企業の元社長の逃亡劇、そして新型コロナウイルスの流行……平和の祭典・東京五輪はこのまま平穏無事に開催されるのか。そんなことを考えながら、JR総武線に揺られ、車窓から見える新国立競技場を眺めていると、夜遊びガイドのO氏からLINEのメッセージが届いた。

「亀有で取材中、怪しい一角を発見!」。写真には廃墟と思われる建物と「セクシーギャル」と書かれたボロボロの看板。一体何を訴えようとしているのか……。そこからさらに30分ほど電車に揺られ亀有で降車、O氏と合流することに。

俺の夜

亀有の治安を守る、ご存じ「両さん」。実際、こんなサンダル履きの諸先輩方がこの店のご常連にもあまたいるそうだ

 駅で手を挙げて待っていた“有名警察官”の像をすり抜け、やたら中華料理店の多い繁華街を進むと、明らかに毛色の違ったネオン街にO氏が立っていた。

下町・亀有の元ピンサロ街の片隅に

「これが写真の廃墟なんですが……。それより隣を見てください」

俺の夜 スナックや居酒屋、アジア料理店が並ぶ薄暗い長屋の一角。件の「セクシーギャル」の廃墟の隣から漏れる明かり。素通しのドアから中を覗くと拳銃がズラリ。奥には機関銃やロケットランチャー、そして手榴弾と思しき「火器」がうやうやしく鎮座している。

 店内には女のコが複数人。その一人と目が合ってしまった!

「どうぞ! いらっしゃいませ~」

俺の夜

左から、ももちゃん、ゆかちゃん、あいりちゃん、くぅちゃん。セクシーでキュートなアーミールックはなんと自前だそう

 ドアを開け、我々を招いてくれたのはアーミールックの女のコ。胸元は大きく開き、ミニに網タイツ。映画『地獄の黙示録』のプレイメイトのよう。ブラック系のビートの効いた音楽、モニターには際どく尻を振る女たちの映像が流れている。恐る恐る席に着くと、アーミー女子はテンションが高い。

「ビール、焼酎、カクテル、ウィスキー、今の時間は60分、1000円で飲み放題で~す!」

俺の夜

店内には50丁超のモデルガンやロケットランチャーがディスプレイされている。手に取るのは諸事情により不可だが、緊迫感もある

 壁に飾られた50丁を超えると思われる「銃火器」。聞けばオーナーが趣味で集めたモデルガンなのだが、けっこうな値段のする代物もあるという。

俺の夜 俺の夜 俺の夜「現役の自衛隊員の方が大勢を引き連れてきて、ひとつひとつ銃の名前を連呼して説明してくれたり、サバゲー(サバイバルゲーム)好きのお客さんが来るようになったり。私たちもオンラインゲームでバトルロワイヤルを楽しんでます」

 と“小隊長”のあいりちゃんを筆頭に女のコたちは口を揃えるが、キナくさい現実の世界とは大違いの和気藹々さ。イランvsアメリカのバトルなんてどこ吹く風だ。

朝まで飲んで飲んで! 持久戦は大の得意

 そんな彼女たちの「戦い」のボルテージはもっぱら酒だそう。

俺の夜 俺の夜 俺の夜 俺の夜「女のコ同士で飲むと、誰かをツブすまで容赦なく飲(や)る!」とゆかちゃんが気合を入れると、「日本酒なら底なしで飲める」とすかさず応戦するももちゃん。

俺の夜

とにかく酒が好きだと豪語する4人のアーミーガールは朝まで飲むこともザラ。生半可な飲み方だと確実に“火傷”するので注意!

「5~6年前はこの辺ピンサロ地帯でヤバかったらしいですよ~! 隣もピンサロだったし!」

 O氏を喜ばせているくぅちゃん。

 裏表なく、豪快に笑うプレイメイトたち。下町ならではのイナタイ感じが妙に心地よい夜だった。

【Little Army】
住:東京都葛飾区亀有5-28-2 1F
電:03-5856-2377
営:19時~ラスト
休:無休
料:1000円(19~21時/60分)、3000円(21時~/60分)※飲み放題(税別)
ちょっと暗い路地だが、路面店ゆえ入りやすいと評判

協力/O氏(夜遊びガイド) 撮影/渡辺秀之

苫米地 某実話誌で裏風俗潜入記者として足掛け5年。新天地でヌキを封印。好きなタイプは人妻
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