2か月に及んだ緊急事態宣言による自粛生活で俺の生活スタイルもすっかり変わってしまった。外に飲みに行けず酒量が減ってしまい、めっきり酒に弱くなってしまった。その一方、自炊するメシが案外ウマく、しかも一度に量を作り完食。
いつの間にか腹の上にはでっぷりとした脂肪の塊がのっていた……。そんな悩みをオンラインで夜遊びガイドのO氏に打ち明けると、「6月にオープンの“効く店”があるんで行ってみて」と勧めてくる。
降り立ったのは「夜の街」としての活気を取り戻しつつある池袋。北口を出て、客引きを冷やかしつつ、キャバクラ密集地帯へと足を運ぶ。その一角の雑居ビルにお目当ての店があった。
気合の「いらっしゃいマッスル~!」
エレベーターを降りるや否や、全開の扉から目に飛び込んでくるのはド派手なタイポグラフィの内装。恐る恐る覗くとタンクトップ姿の女のコと目が合ってしまった。
「いらっしゃいマッスル~!」と気合の入った声がこだまする。いわゆるボディビルダーポーズを取った女のコたちがコテコテの笑顔で迎えてくれた。言われるがままに手指を消毒、検温の後、カウンターに座る。コロナ対策はバッチリのようだ。
「ここは筋肉自慢の女のコが集うガールズバー。オープンしたてで不慣れですが、頑張りマッスル!」
と元気に答えてくれたのは、こんがりと焼けた肌が実に眩しい、みうマッスルちゃん。
ふと横を見れば、「筋肉は1%の才能と99%の努力」「筋肉の楽園」などと実に勇ましい標語が大書きされている壁の前にマシンが置いてあり、そこでも女のコがトレーニングに励んでいるではないか。笑顔でも結構なウエイトを上げているのを見逃さない。
エクササイズを見ながら酒を飲むのも一興!
「ぜひ、名物のマッスル生搾りサワーを飲んでいってください!」
勧められるがままにドリンクをオーダー。すると大音量の音楽が。
「ユァショーック! 愛で空が落ちてく~る。ユァショーック!!」
大人気世紀末アニメの主題歌とともにグレープフルーツを握り潰すみうマッスルちゃん。「ビジャビジャビジャ!」。凄まじい音を立てて崩れ落ちるグレープフルーツの果実。まさにショック、ピッチャーにあっと言う間に溜まるジュース。
さらにショッキングなのはカウンター頭上に渡されたバーを摑むや、エルマッスルちゃんがガチ懸垂を始めたことだ。焼けた肌、震える上腕二頭筋、割れた腹筋に見惚れる俺。筋肉は裏切らない!女のコはBCAA(筋肉を増やすアミノ酸)ドリンクで乾杯。さっそく、彼女たちにコロナ太りの悩みを打ち明ける。
「糖質オフダイエットや腹筋だけはあまり意味ないですね。運動不足で筋肉量が落ちているから代謝が悪くなっています。もっとも筋肉量がある下半身と背中に筋肉をつけ、代謝を上げれば痩せます!」そして、導かれたのはカウンターの後ろのチェストプレスマシン。
「息をゆっくり吐きながら、肩のつけ根を意識して!」
持参のフェイスガードを着用し、ハードトレーニング。酒もそこそこに筋肉女子たちに叱咤激励されながらのマシントレーニングに没頭した俺。帰りの〆のラーメンは断念したのは言うまでもない……。
【マッスルガールズ筋肉女子】
住:東京都豊島区池袋2-41-2 HAYAMAビル 6F
電:03-6886-7001
営:19~24時(23時L.O.)
休:日
料:1500円(30分)飲み放題
●マッスル生搾りサワー(2000円※3~4人前)、マッスルメガ生ビール1000円、BCAA1000円(女のコ用)
※新型コロナウイルスの影響で営業時間や定休日が変更になっている場合があります
撮影/渡辺秀之 協力/O氏(夜遊びガイド)
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苫米地 某実話誌で裏風俗潜入記者として足掛け5年。新天地でヌキを封印。好きなタイプは人妻
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