サブスク
ほかでは味わえないヤンチャな姐トーク
ダイジョブだよ、絶対逃げ切るから。まず埼玉に飛んで、それから、お前と一緒にアメリカに飛ぶんだ――。それが、誰よりもケンカが強くて優しかった彼の、シャバで聞いた最後の言葉だった。
これは、不良娘たちのカリスマ雑誌『ソウルシスター』に掲載された、人気読者モデルによる恋愛回顧録だ。女子にあるまじきステゴロ武勇伝や、彼女たちが若くしてこさえた子供の、キラキラネーム見たさに同誌を読んでいるスギナミではあるが、ときたま、名作コミック『ホットロード』のような、不良の純愛話を見かけると胸がキュンとなってしまう。
僕に限らず、度胸も腕力もない典型的私立文系男子が、ヤンキー漫画を愛読し不良に憧れるのは、社会的な善悪は別にして、その生き様やハートに“純”を感じるからにほかならない。聞けば最近、元ヤン系の女子ばかりを集めたお店が埼玉にオープンしたという。早速、特攻んでみることにした。
京浜東北線・西川口駅を出て4分ほど歩いたところに「たまりばぁ～スペクター」はあった。
15坪ほどの店内に入るとまず目につくのが「C・R・S SPECTER」とペイントされた壁面の装飾。そして、バーカウンターの棚に所狭しと貼られたステッカーの数々。そう、同店のオーナーは「関東CRS連合松戸スペクター」の元総長。ムムム、これはかなりのディープゾーンに足を踏み入れてしまった気が……。
CRS スペクターは'70～'80年代に全国に勢力を拡大した最大規模の暴走族
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スギナミ 東京都生まれ。主な出没地域は中野、高田馬場の激安スナック。特技は「すぐに折れる心」
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