読モが肉を焼いてくれる店

“読者モデル”が 甲斐甲斐しく
肉を焼いてくれる赤坂の夜

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昨年から巷を賑わせているものに「ホットパンツ居酒屋」(注:苫米地命名)なるものがある。昨年アメリカから上陸し、俺の夜の精鋭たちも馳せ参じ、大いに鼻の下を伸ばした赤坂の「フーターズ」のオープンを皮切りに、渋谷や新宿などでも、タンクトップ&短パンで女のコがお運びをする店が乱立状態となった。それはそれで大変喜ばしいことだが、しかしこの業態の店には不満もある。それは、「女のコとの接触時間が短く、満足なコミュニケーションが取れない」ということである。なんとか女のコとの接触時間を伸ばそうとメニューを一品一品個別に注文し、その都度女のコに話しかけるなど”牛歩戦術”で攻略を図ってみるのだが、露骨にこれをやると女のコの表情がみるみる曇ってしまい、しまいには俺のテーブルを回避される危険性をもはらんでいる。

 そんな深遠なる悩みをO氏に吐露していると、「可愛い女のコとじっくり話せて、かつリーズナブルな店がありますよ」とのこと。聞けば焼き肉店。いまだ春には程遠く、冷え込む懐を確認しつつ出かけると……。

香ばしい煙に包まれた”ファッションショー”

 店のある場所は赤坂。大胆にもホットパンツ居酒屋の元祖「フーターズ」とは至近距離である。

 赤坂見附のホテルに入るあの店とは一線を画し、外装はぐっと庶民派。ガラリとドアを開けると、「いらっしゃいませー」の黄色い声。女のコは揃いの制服ではなく、思い思いのホットパンツ姿だ。お色気度もひけをとらないが、アクセサリーやヘアスタイルなど各々工夫しており、どことなくスタイリッシュな雰囲気が漂う。

 壁を見ると、焼き肉店にありがちな油と煙で燻されたメニュー書きではなく、やたらとポップでカラフルな文字が肉の写真とともに躍っている。その横にはなぜかファッション誌のキリヌキ……昭和テイストな銀色のトタン壁とのギャップに戸惑う。

「実はお店の女のコ全員がファッション誌の”読モ”なんです。女のコの可愛さとお肉の質は負けませんよ」と説明してくれたのは、あろうことか、小誌精鋭記者の一人テポドンファンを公言する店長氏。若干意気消沈していると、キンキンに冷えたビールを持って女のコが現れた。

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(写真左)「お得なちょっぴり贅沢パック」はレバ刺し、ホルモン4点、リブロース、ナムルと90分の飲み放題がついて5000円(写真は2人前)。
(写真右)看板娘のミカちゃん(右)とのんちゃん

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■俺の夜 百二十一夜 前編

協力/O氏(夜遊びガイド)
撮影/渡辺秀之

苫米地 某実話誌で裏風俗潜入記者として足掛け5年。新天地でヌキを封印。好きなタイプは人妻
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