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「伝統芸能」とも呼べる、与野党間の談合こそが、日本政治の本質だ/倉山満

政治は左右の対立で動いているのではない

 そして、「森山・安住ライン」が機能しなければ、国会は動かない。  最近でもコロナ対策特措法が、超短期間で通過した。本連載でも指摘したように、憲法違反のオンパレードとも言うべき欠陥法案だ。それが、「森山・安住ライン」にかかれば、簡単に通る。立憲民主党の支持者は、コロナを極度に恐れ、枝野代表は「ゼロコロナ」などと言い出した。菅首相もコロナを恐れる世論に応じるためにも、法案の成立を急いだ。この間、国民民主党と日本維新の会は建設的に問題点を指摘した。そこで森山・安住会談が開かれ、「では、彼らの指摘も取り入れよう」と、同法案から刑事罰を抜いた。少数野党の顔も立てつつ、自民と立民の合意により法案を早期成立させる。この二人でなければ、ここまで上手くいったか。  森山国対委員長は、最近では珍しい苦労人で、政治力に長けた政治家だと評されている。二階俊博幹事長とともに、菅首相を真っ先に擁立し、主流派を形成している。政権の主導権は、彼らトリオ(森山・菅・二階)が握っている。  政治は左右の対立で動いているのではない。現実を知っておこう。
1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『嘘だらけの日本古代史』(扶桑社新書)が発売中

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