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タイの屋台で売ってる寿司を食べてみた

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タコはあまり食べないので、東南アジアでも大人気のカニカマ入りのタコ焼き

 タイは食べ物が豊富で、街でも屋台が大賑わい。果物、お菓子、めん類、ご飯ものとさまざまな食べ物屋台が並んでいる。  最近では普通のタイ料理関係の屋台だけではなく、ケバブやハンバーガー屋台まで出始め、ついには日本風の食べ物を売る屋台なども現れた。タコ焼き、クレープ、たい焼きなどがあるのだが、タコ焼きは、タイではあまりタコを食べないためか、鶏肉やカニカマなどなんちゃって感が満載のバリエーションになっていて、あくまで日本風という感じがおもしろい。  そんな中、なんと寿司の屋台が登場した。寿司をお盆に並べ、客はそれを自由にパックに詰め込んで会計をする。1個あたり大体10~15バーツ程度。大昔は日本もすしは屋台で売られていたというから、タイで寿司が原点回帰したかのようである。  しかし……。この寿司屋台、日本人にはやや抵抗がある。というのも、タイはご存知のように南国。気温が高く、店によっては炎天下に延々と晒されたすしが販売されているわけだ。しかもバンコクだと渋滞がひどく、空気が悪い。そんな道路の真横で売られたりするものだから、なんだかなあ、と思ってしまう。    とはいえ、食べずに批判するのはフェアじゃないので、試しにいくつか買ってみた。
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やたらド派手。正直めちゃくちゃ胡散臭い……

 覗いたのは「ミスター・すし」と暖簾をかけた怪しげな屋台。  品揃えはマグロ、サーモン、タコ、エビ、うなぎ、たまご、エビコ、メカブ、カニカマ、しめ鯖などだ。一応ショッピングモールの入り口で日陰、そして蓋がしてあるものの、やはりナマモノである。果たして大丈夫だろうか……。 ※タイ屋台寿司品揃え【画像】はコチラ
⇒https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=312649
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見た目は……結構ちゃんと寿司している

 タイは広範囲に被害者が出るような大規模食中毒事件以外は自己責任。今まで「ミスター・すし」でトラブルがあったと聞いたことはないが……。 「ここで作っているんですよ。だから大丈夫です」  店のおばちゃんは自信ありげに言うが、かえって心配である。刺身なんて近年まで扱ったことがないだろうに……。  ちなみに、タイ人はエビコとメカブが特に好きなようで、タイ人が経営する日本食レストランには必ずある。また、カニカマと聞いて驚く読者もいるかもしれないが、東南アジアではカニカマも立派な刺身のひとつなのだ。  とりあえず、うなぎ、エビコ、マグロを買ってきた。 ※【画像】はコチラ⇒https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=312650
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こうしてパックに詰めてテイクアウトするのがタイ屋台寿司の作法

 醤油は小さな袋に入っている。わさびは容器に別に入れられていた。タイ人は辛いものに慣れはあるが、わさびの辛さへの耐性はほぼないので、すしに塗ることは罰ゲームと同じこと。なのでどこに行ってもサビ抜きが基本で、言わないとわさび入りにはならない。  パックに適当に詰めてきたので、マグロがエビコだらけだ。  まずはマグロから。思ったよりも魚の鮮度は悪くないようだ。生臭くもないし、変な味もない。ただ、なんか変だ……。  ご飯が酢飯じゃない……。  気持ち程度は酢が入っているようだが、ほとんど普通の白飯だ。エビコの軍艦巻きもまた、いつ巻いたのかわからないので、海苔がしなっとしている。こちらも酢飯ではない。  さらに、醤油が甘口だ。    これは単に好みかもしれないが、あまり合っていないような気がする。タイ人は濃い味が好きなので、和食関連は甘め甘めになる傾向がある。共通の調味料で、わかりやすく濃くするにはやっぱり砂糖しかないからだろうか。まさか、醤油まで甘めになるとは……。となれば言わずもがな、うなぎの蒲焼すしは激甘だった。  思ったよりはよかったけれど……、やっぱりすしは専門店で食べたいものだなあ。ちなみに、タイには専門店として「平禄寿司」が出店済みだ。  ちなみに、「ミスター・すし」はホームページもあるのでよかったらどうぞ!(http://www.mr-sushi.com) <取材・文・撮影/高田胤臣>
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