「ブラック企業とは宗教である」経営者サイドの本音と実態

ブラック企業「ブラック企業とは、宗教です」

 開口一番、こう話すのは、ジャーナリストの秋山謙一郎氏。延べ100人の経営者取材を通して得た結論が、これなのだという。

「近年、ブラック企業問題が盛んに論じられていますが、その声のほとんどが労働者、つまり搾取される側からのものでした。もちろんそれはそれで意義のある情報だと思いますし、検証すべきなのですが、対して搾取する主体となる経営サイドの声はほとんど聞こえてこない。そんな疑問点から、ブラック企業の経営者、マネジメントサイドの人間に片っ端から会ったんです。結果は、思っているよりもえぐかった(笑)。私は新興宗教について取材することも多いのだけれど、大勢で勧誘する、思考能力を奪い世間と断絶するために長時間拘束する、指導者の著作物を買わせたり新たな信者獲得を促す、それによって報奨される仕組みがある……と、あらゆるフェーズでブラック企業と宗教には相似が見いだせました」

 たとえばある金融会社のリクルーティングでは、大学の先輩から声をかけられるのが端緒となる。呼び出された喫茶店に行くと、途中から美人の女性社員が加わり、さらに課長が加わり、気がつけば3対1に。断りづらい雰囲気を作られた上で、「業界に風穴を空けよう!」などと発破をかけられる。

「首を縦に振るまで、ほおっておけば2時間でも3時間でも彼らは話し続けます。その場をなんとか逃れても、毎日のようにメール、電話がきて、自宅まで足を運ばれたりもする。断ったほうがラクな状況を作るんです。兵隊が欲しいから」

 秋山氏が3月に上梓した「ブラック企業経営者の本音」では、こうした経営サイドの本音、目論見が余すことなく描かれている。

 飲食、外食産業からテレビ業界、零細のIT企業まで、業態は様々だが、通底するのは黒すぎる思惑。彼らは確信犯でやっているのだ。

 これまで見落とされがちだった、経営者サイドの本音。知りたい人は是非手にとってほしい。 <取材・文/日刊SPA!取材班 イラスト/西アズナブル>

ブラック企業経営者の本音

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