「工事現場」に魅せられた、ロンドン芸術大卒のシンガーソングライター
むき出しになった地盤や重機、完成に向かって刻々と変化する建造物……工事現場にワクワクした思い出はないだろうか?
「工事現場は生き物なんですよね。少しずつ完成に向かっていく姿に未完のロマンを感じます」と話すのはシンガー・ソングライターで油彩画家のRie fu氏。これまでに工事現場ばかり60作品を描き、個展を開くほどのマニアが「内なる少年マインド」を刺激する工事現場のマニアックな魅力を熱く語る。
「工事の規模が大きければ大きいほど魅力的に映る」という彼女が、いま最も期待しているのが東京五輪。メインスタジアムになる新国立競技場や選手村など、無数の関連工事が目白押しだ。「街中が工事現場だらけになるのが想像できない。早く見てみたい!」と五輪そのものよりも、本格的な工事が始まるのが待ちきれない様子。
続いて見どころに挙げるのが、夜間の工事現場。「光り輝く夜間の工事はロマンチック! 夜間にだけしか見られない作業もあり、見ていて飽きることがありません」と絶賛する。終電後に集中して行われるJR渋谷駅の改良工事などに期待を寄せるほか、「普通の道路工事なども通りかかると気になってしまいますね」と夜の魅力をアピールする。
さらに、オススメポイントに挙げるのが、場違い感だ。「神社と近代的な工事、ビジネス街で動き回る作業員の方など異色のコラボレーションに惹かれます」。国内初の天守曳屋を行い10年がかりで改修する弘前城本丸石垣修復工事に注目するほか、これまでに何度も描いてきた日本屈指のビジネス街・日本橋エリアの再開発などがオススメだ。
また、工事現場ならではの重機や、殺風景な現場に置かれているキュートな器具も心をとらえて離さないとか。「水玉模様にカラーリングされた重機や、動物をかたどったコーンなどオリジナリティーあふれる謎の物体は気になってしようがない」と笑みを浮かべる。イチオシの重機はクレーンで、「くねくねと曲がり、長く伸びる姿に有機的な芸術美を感じます。名古屋駅JRゲートタワー工事の大型クレーンなどが見ごたえ満点です」。
数々の工事現場を見つめてきた彼女だが、最も大事なポイントは「偶然の出会い」だという。「私にとっては、通りがかりや旅先で偶然見つける工事現場との出会いが重要です。これまでも観光で訪れた銀閣寺や伊勢神宮がたまたま工事中だったなど、私は“雨女”ならぬ“工事女”なんですよ。普通の人ならお目当ての場所が工事中だと残念に思うかもしれませんが、私は逆にうれしくなってしまうんですよね」とマニアぶりを告白。「皆さんも旅行先で偶然出会った工事を楽しむという新たな観光の見方もありかもしれませんよ!」と工事現場マニアのススメを熱っぽく説いている。
⇒【画像】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=632731
【Rie fu(りえふぅ)氏】
シンガーソングライター・油彩画家。日本語と英語がミックスされた歌詞や、カレン・カーペンターに影響を受けた歌い方が特徴。幼少期をアメリカで過ごし、現地で讃美歌などに触れたことがきっかけで歌に興味を持つ。2004年デビューと同時にロンドンにわたり絵画を学び、07年ロンドン芸術大学卒。帰国後は音楽活動とあわせて定期的に個展を開くなど、アートと音楽をつなげる活動を続ける。近年は、ものづくりの過程が垣間見られる工事現場をテーマとした絵画を描いている。
【サイト】
http://riefuconstruction.tumblr.com/
<取材・文/日刊SPA!取材班>
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『Rie fu Sings the Carpenters』 ファン待望のカーペンターズ・カヴァー・アルバム ![]() |
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