独断と偏見で選ぶ「冬コミ奇書・珍書」――妖怪画の物まね写真集、“幻覚茶”の精製方法、軍師・参謀を志す人のための指南書まで
昨年12月29~31日、東京・有明国際展示場にてコミックマーケット91(通称:冬コミ)が例年のごとく開催された。
コミケといえばアニメや漫画、ゲームなどの二次創作やコスプレが注目され、今回の冬コミは叶姉妹が「ジョジョの奇妙な冒険」スペースに現れたことでも話題をさらったが、目玉は他にもある。三日目の「評論・情報」ジャンルである。
ここは町の書店では到底流通できないような「奇書」や、尋常ではない情熱でワンテーマを追求し続けたり、なぜそのテーマを取り上げようと思ったのか理解に苦しむ「珍書」があふれかえる、知られざる祭典なのである。
そこで、編集の独断と偏見により選んだ「奇書・珍書」を紹介していく。
葛飾北斎、鳥山石燕、竹原春泉斎などによる有名な妖怪画を、ただひたすらモノマネしていくだけの怪書。
まず表紙を見た時点で鼻で笑ってしまい、ページを開くことに激しい抵抗をおぼえるが、我慢して読み進むとクリエイターたちのバカに掛ける並々ならぬ情熱を知ることとなる。学生時代のあの懐かしいノリを、大人が全力で追求する姿である。
この撮影のためだけに19人の大所帯で合宿まで行い、妖怪のフォーメーションや体勢、角度までをも完コピする熱意、それなのに小道具は適当であるという脱力加減。さらに、ここまでバカを徹底しておきながらツイッターやまとめサイトでの晒しを極度に恐れる保身ぶり(もちろん、無断転載はご法度であるが)。
そんなものを目の当たりにしても、やはり読後は「いやー、バカバカしかったな!」としか思えないのが、逆に清々しい。それが狙いなのだろうが……。ただの“薄い本”に止まらない、コミケ屈指の怪書といえるかもしれない。
怪作戦 妖怪写真集 第八巻
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