「遺伝子検査キット」で病気のリスクはわかるのか?
今話題の遺伝子検査。病気が防げる? 画期的なダイエット法がわかる? そんな期待を抱かせる、お手軽“遺伝子検査キット”の実態に迫る!
◆病気のリスクや体質がわかる? 遺伝子検査キットの実力とは
DeNAやヤフー!など、大手IT企業が相次いで遺伝子ビジネスに参入。いまや在宅で受けられるようになった遺伝子検査は特別なものではなく、誰もが気軽に試せるサービスとして注目が高まっている。
遺伝子検査キットが自宅に送られてきて、頬の粘膜や唾液を採取。検査事業者に送り返せば、自分の遺伝子が分析され、Webサイト上や送られてくる書面で結果がわかる――というのが、おおまかな流れだ。では、どんなことがわかるのか?
Webサイトを見る限りでは、がんや脳梗塞、心筋梗塞などをはじめ、糖尿病や高血圧など生活習慣病の発症リスクが把握できたり、髪質や肌質、太りやすいかどうかなど、体質についての“遺伝的な傾向”がわかるとされている。
そうした検査結果をもとに、できるだけ発症リスクを下げたり、効果的なダイエット方法をアドバイスしてくれるサービスが主流となっているのが現状だ。
だが現時点で提供されている遺伝子検査キットやサービスによって、本当に病気の発症リスクや体質がわかるのだろうか? 発症リスクを減らしたり、効果的なダイエット法を指南することはどの程度可能なのか?
まずは信頼できる専門家に話を聞いてみることにした。うかがったのは、お茶の水女子大学の助教で、認定遺伝カウンセラーの四元淳子氏だ。
「遺伝子検査というと、警察や裁判所でも使われているものなので、絶対的で確かなものというイメージがあるかもしれません。ですが現時点の研究では、遺伝子がこうなっているからあなたはこうですね、とはっきり言えることは限られています」
⇒【vol.2】『遺伝子検査ですべてがわかるわけではない!?』に続く https://nikkan-spa.jp/842794
<在宅でできる主な遺伝子検査サービス>
●MYCODE(9800円・ディスカバリー)
東京大学医科学研究所内に検査ラボがあり、共同研究している事業者。遺伝子情報が統計学的にどのような特徴を持つのかが提示される。受けられる生活習慣アドバイスは、医師や管理栄養士が監修。21項目を検査するエントリー向けの「ディスカバリー」から、280項目を検査する「ヘルスケア」など3つの検査メニューが用意されている
【四元淳子氏】
認定遺伝カウンセラーであり、お茶の水女子大学の助教。昭和大学病院などでカウンセリングも行っている
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