ゴルフは「やる」から「見る」へ…松山英樹選手の米ツアー2勝目の意義【コラムニスト木村和久】
―[木村和久の「オヤ充のススメ」]―
― 木村和久の「オヤ充のススメ」その108 ―
今回は珍しくゴルフのお話です。安心して下さい、原稿出すとこ、間違ってませんよ~。
2月8日に松山英樹選手がフェニックスオープンで優勝し、これで米ツアー2勝目となった。丸山茂樹選手の米ツアー3勝の記録を破るのは、時間の問題で、それよりもメジャータイトル獲得が、視野に入ったといえる。
この優勝で日本のゴルフ関係者達は、お祭り騒ぎ状態だ。低迷するゴルフ業界が活性化して、プレーヤーが増え、ギアやグッズが売れると目論んでいるようだ。けど個人的見解を述べると、喜びは半分って感じですか。そう甘くは行かないと思う。というわけで改めて、松山英樹選手の2勝目の意義を考えてみたい。
松山選手がアメリカのPGAツアーで優勝し、今後はNHK-BSなどで、彼の出場試合を頻繁に見ることができる。それはメジャーリーグで、日本人選手が活躍するのと同じ構図であり、日本国内の男子トーナメントが盛り上がることとは別問題だ。
PGAツアーは、試合そのものが非常に魅力的である。例えば松山選手が優勝した「TPCスコッツデール」というコースは、今回4日間で61万人のギャラリーを集めたそうだ。それって鳥取県民が全員ゴルフ場に行くってこと?何しろ、ひとつのショートホールがスタジアムになってて、そこだけで2万人以上収容できるんだから参った。日本オープンは4日間トータルで、1万人そこそこの集客ですよ。層の厚さに脱帽だ。
今後松山英樹選手に、世界は注目すると思うが、それはゴルフの試合を見るという意味だ。つまり錦織選手や五郎丸選手や高梨沙羅選手が、世界的に活躍するのと同じ感覚なのだ。
ゴルフって以前はゴルファーがファンだった。けど今の若者が、松山英樹選手が活躍したから、ゴルフを始めるとは到底思えない。ゴルフは盛り上がりつつあるとはいえ、ゴルフ人口の減少は、確実に進むでしょう。今回のフェニックスオープンで、ゴルフは「やる」から「見る」へ、意識変革が起きているのが、はっきり分かった。だから今後はゴルフをやらないファンが増えるのではないかと思える。
アメリカツアーは、やっぱり見てて面白い。ショートホールをスタジアム化するのは、ショービジネスとしてゴルフを捉えている証拠だ。コースも池だらけで、全くゴルフを知らない人でも、「あの池を越えられるか」と、ハラハラしながら見れる。つまりハザードの難しさを、選手とギャラリー、視聴者が共有できる、だから面白いのだ。
これが日本のコースとなると、名門コースは林間コースばっかりで、どこも同じようにしか見えない。「あの張りだした木を越えれるか」と中継されても、みんな木だから、何が難しいのか全然分からない。これは今後、東京オリンピックの会場の選定でも、池の多い、ショーアップされたコースにすべきではないかと、是非議論して欲しい。
男子の日本ツアーは未だショービジネス化されていないが、女子ツアーはひと足早く、ショービジネス化に成功している。プロアマに積極的に選手参加し、試合会場でのファンとの交流も盛んだし、アイドル化したスター選手も目白押しだ。その中で群を抜く人気なのが、賞金女王で美人のイ・ボミ選手だ。イ・ボミ選手をゴルフ雑誌の表紙にすると、雑誌の売り上げが伸びる伝説がある。日本のゴルフ出版物で一番売れた品物を知っています? ローラ・ボーのカレンダーと写真集ですよ。それでビルが建った出版社が、あるといいますから。

木村和久
―[木村和久の「オヤ充のススメ」]―
トレンドを読み解くコラムニストとして数々のベストセラーを上梓。ゴルフやキャバクラにも通じる、大人の遊び人。現在は日本株を中心としたデイトレードにも挑戦。著書に『50歳からのかろやか人生』
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