海外のスリ師&ぼったくり店「日本人観光客は狙いやすい」理由って?
最大10連休の今年のGW。それを利用して海外旅行を検討中の人もいると思うが、不安なのは現地の治安。旅行先でスリや置き引き、土産物屋やタクシーでのボッタクリなどの被害に遭った日本人は決して少なくないからだ。
ここで気になるのは、日本人は海外でカモとして認識されているのかという点。そんな話はよく耳にするが、現地でスリやボッタクリ行為を行う者たちは果たしてどう見ているのか? 実は、筆者が先日訪れたイタリア滞在中、現地人の知人のツテで元スリ師のイタリア人男性、ジュゼッペ(仮名・30代)から話を聞くことができた。
「日本人かい? こんなことを言うと気を悪くするかもしれないけど、狙われやすいだろうね(笑)」
その理由について“警戒心の薄さ”を挙げる。
「特にカップルやグループで旅行している場合、話に夢中になるから隙が多いんだ。むしろ、1人旅のほうが常に警戒しているから手を出しにくいね」
これに対して、数人のグループによる集団スリがターゲットにするのは1人で行動する旅行者。
「人ごみの中で周りを囲んだり、服にケチャップなどを付けて『なんか付いてますよ』と声をかけ、その間に仲間が財布を抜き取るんだ。東欧あたりから来ているスリグループがよくやる手口だよ。ローマだと市内で一番大きなテルミニ駅、それと地下鉄の車内なんかは注意したほうがいいだろうね」
だが、日本人が狙われやすい本当の理由は別にあるという。
「現金を持ち歩いていることかな。今はキャッシュレス化が進み、小額の現金しか持ち歩かない旅行者が多いんだ。そうなるとスマートフォンやカメラぐらいしか盗るものがないけど、多くの日本人観光客は財布に数百ユーロは入っている。クレジットカードだとすぐ連絡されて利用停止になることが多いし、仮に使えてもそこから足がつく可能性があるからリスクが高い。同じアジア人でも中国人なんか大勢来ている割には現金を全然持ってないし、やっぱり日本人が一番さ」
外務省『海外邦人援護統計』によると、海外で日本人が強盗や窃盗、詐欺に遭った件数は2017年の1年間で4266件。ここ数年は減少傾向にあるとはいえ、渡航者10万人中およそ24人が被害に遭う計算になる。
日本人観光客を狙うイタリアのスリ師たち
キャッシュレス化が進んでも日本人は現金を持っている?
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