ゴリ押しで進む「巨大防潮堤」の建設。地元住民の代替案も検討されず…
⇒【写真】はコチラ(かつての小泉海岸)
https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1115393 気仙沼市小泉地区の防潮堤計画(事業費356億円。高さ14.7m)に対して、地元見直し派の阿部正人氏らは防潮堤に反対する安倍昭恵首相夫人などとともに、シンポジウム開催などに取り組んできた。阿部氏が強調するのは、「環境や景観破壊を避けられる代替案を提案したのに、きちんと比較検討されずに現行案のまま、ゴリ押しされてしまった」ということだ。 その代替案は、少し陸側に盛土をして建設される「国道45号線」と高速道路「三陸自動車道」に防潮堤機能を兼用させることで、豊かな自然が残る海岸に防潮堤建設をしないという内容だ。 「道路の盛土強化で防潮堤ができてしまうので工事費が削減されるうえに、湿地帯などの海岸の自然環境を保全することができるという一石二鳥の優れた案なのです。推進派は『見直すと復興が遅れる』と言いますが、代替案のほうが工事が少なくて済むので、建設業者の仕事量は減りますが、被災者にとっては完成時期が早くなってプラスなのですが……」(阿部氏) 阿部氏は代替案に転換することで、海岸に隣接する湿地帯などの一帯を保全、エコツーリズムの拠点にしようという構想も思い描いていた。’14年8月に小泉海岸バスツアーを企画した志村氏は、こう話す。 「小泉海岸は日本の海岸の原型のような豊かな生態系に移り変わりつつありました。海から見て、砂浜の次には海岸植物のエリアがあり、その次は湿地帯。そこには希少種の巻き貝も生息していました。そして、乾いた地面の陸地になっていく。子供たちは貝などさまざまな生物を見つけて大喜びをしていました。海岸の自然環境は、砂浜だけで成り立っているのではないのです。日本は世界で6番目の海岸線を持っているのに、自然の砂浜は10%ぐらいしか残っていません。その貴重な自然の砂浜が残る小泉海岸を潰して、巨大防潮堤を造ろうとしているのです」 ⇒【写真】はコチラ(潰された湿地帯で見つかった貝類)
https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1115373 アベノミクスで公共事業費が急増し、建設業者が儲かる一方で、海の環境保全をしながら観光振興や漁業振興を図ろうとする人たちにとっては、海と陸の分断は死活問題だ。 日本の美しい自然に魅せられた東洋文化研究者のアレックス・カー氏は、こう嘆いている。 「防潮堤建設は、先進国では考えられない動きです。アメリカでは巨大ダムは基本的に造れない。それに対して、日本はダムや防潮堤の建設が進められている。非常に残念なことです」 ― アベノミクスの[環境破壊]が止まらない! ―
https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1115393 気仙沼市小泉地区の防潮堤計画(事業費356億円。高さ14.7m)に対して、地元見直し派の阿部正人氏らは防潮堤に反対する安倍昭恵首相夫人などとともに、シンポジウム開催などに取り組んできた。阿部氏が強調するのは、「環境や景観破壊を避けられる代替案を提案したのに、きちんと比較検討されずに現行案のまま、ゴリ押しされてしまった」ということだ。 その代替案は、少し陸側に盛土をして建設される「国道45号線」と高速道路「三陸自動車道」に防潮堤機能を兼用させることで、豊かな自然が残る海岸に防潮堤建設をしないという内容だ。 「道路の盛土強化で防潮堤ができてしまうので工事費が削減されるうえに、湿地帯などの海岸の自然環境を保全することができるという一石二鳥の優れた案なのです。推進派は『見直すと復興が遅れる』と言いますが、代替案のほうが工事が少なくて済むので、建設業者の仕事量は減りますが、被災者にとっては完成時期が早くなってプラスなのですが……」(阿部氏) 阿部氏は代替案に転換することで、海岸に隣接する湿地帯などの一帯を保全、エコツーリズムの拠点にしようという構想も思い描いていた。’14年8月に小泉海岸バスツアーを企画した志村氏は、こう話す。 「小泉海岸は日本の海岸の原型のような豊かな生態系に移り変わりつつありました。海から見て、砂浜の次には海岸植物のエリアがあり、その次は湿地帯。そこには希少種の巻き貝も生息していました。そして、乾いた地面の陸地になっていく。子供たちは貝などさまざまな生物を見つけて大喜びをしていました。海岸の自然環境は、砂浜だけで成り立っているのではないのです。日本は世界で6番目の海岸線を持っているのに、自然の砂浜は10%ぐらいしか残っていません。その貴重な自然の砂浜が残る小泉海岸を潰して、巨大防潮堤を造ろうとしているのです」 ⇒【写真】はコチラ(潰された湿地帯で見つかった貝類)
https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1115373 アベノミクスで公共事業費が急増し、建設業者が儲かる一方で、海の環境保全をしながら観光振興や漁業振興を図ろうとする人たちにとっては、海と陸の分断は死活問題だ。 日本の美しい自然に魅せられた東洋文化研究者のアレックス・カー氏は、こう嘆いている。 「防潮堤建設は、先進国では考えられない動きです。アメリカでは巨大ダムは基本的に造れない。それに対して、日本はダムや防潮堤の建設が進められている。非常に残念なことです」 ― アベノミクスの[環境破壊]が止まらない! ―
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