石野卓球「取材のたびに同じこと言わせるな!」 6年ぶりのソロ作発表のインタビューで…
石野卓球が、6年ぶりのソロアルバム『LUNATIQUE』をリリースした。ピエール瀧との「電気グルーヴ」の活動とも並行して行ってきたソロワークスをまとめた格好で、今回のアルバムでは「性」や「エロス」をテーマにしているという。
そんな彼の胸中を聞くべく向かったのは、元『ロッキング・オン・ジャパン』編集部員で音楽ライターの兵庫慎司。過去に電気グルーヴの単行本を編集したり、昨年公開のドキュメンタリー映画『DENKI GROOVE THE MOVIE?』にも関わるなど、電気と付き合いの長い兵庫が相手だけに、そのインタビュー内容は思わぬ方向に進み……。
掲載ギリギリのマシンガントークを、たっぷりにお届けする――。
――6年ぶりのソロアルバムなんですが、もういろんなところで出ているインタビュー記事を読ませていただくと、このアルバムのために曲を作ったんじゃなくて、既に膨大な数の曲があった中からこの10曲を選んだんですよね。ソロアルバムにまとめようとは思ってなかったんですか?
石野卓球:いや、ソロアルバムを作ろうと思ってたんですよ……っていうか、今回のプロモーションでこんな普通のインタビュー初めてだよ。このアルバムのオフィシャルのインタビューと、サンレコ(サウンド&レコーディングマガジン)と、あとブロス(TVブロス)でしょ。サンレコのは専門的な話だし、ブロスのは宇川(直宏)くんとの対談と天久(聖一)との例のやつだからさ(電気や卓球のリリースの度に天久聖一が架空ルポインタビューのような記事を書くのが恒例になっている)。今のところそれしかやってない。今日このあと何本か取材があるんだけど、普通のいわゆるインタビューはこれが初めて。だから制作作業的なことはサンレコで話しちゃったし、それ読めば出てるからな……サンレコ読んだ?
――はい、サンレコもブロスも(2冊をカバンから出す)。
石野卓球:じゃあもうほとんど言ってる内容知ってるじゃん。……まぁ、プロモーションということでまた話すけど。
――お願いします。6年前のソロアルバムのあとに、すぐ次作を作ろうと思っていたんですよね?
石野卓球:そうです。ってサンレコに書いてあったでしょ?
――はい(笑)。
石野卓球:なんて言ったんだっけ?
――すぐアルバムを出そうと思って、毎日何曲も曲を作ってたんだけど――と。
石野卓球:ああ、そうそうそう……で? 同じこともう一回言う? 読み上げるからサンレコ貸してよ。ええと「実際、派手めなアルバムを作ろうと思って連日スタジオに入って、毎日2~3曲作り散らかしていたんですけど――」(と、自分のインタビューを朗読し始める)。
――本当に読み上げるんですか……。
石野卓球:「そのころ目指していた派手めなダンス・トラックとはちょっと毛色の違ったものばかりできていたんです」……『CRUISE』のあとだから、2010年か2011年くらいか。で、作り散らかしてたんだけど、ちょっと違うかなってなったんだよ。……というところで、サンレコはデジタル版もあるから、そこのリンク貼ればいいじゃん(笑)。
――それだと日刊SPA!じゃなくなっちゃうので……。その頃目指してた派手目なダンス・トラックって、どんな感じのものだったんですか?
石野卓球:EDMでないことは確かだけど。『CRUISE』がそんなに派手なアルバムじゃなかったので、もうちょっとパーティ・アルバムというか、そっちのほうがいいかなと思ったんですよ。で、いっぱい曲を作ってたんだけど、なんか違うなと思って。それに電気の活動も始まったから、そっちに専念したっていう感じ。
――派手目なものを作ろうとしているのにそうじゃない曲がいっぱいできた、それは何曲ぐらいあったんですか?
石野卓球:100曲ぐらい、フレーズだけのものとかも入れると……でもそれは、その前から作ってたものも合わせてか。その時に新しく作ったのは、60~70曲くらい。
――石野さんは「アルバムにするぞ」とか「世に出すぞ」っていう時以外も作っているんですか?
石野卓球:出すから作ろうって時もあれば……最近はこのソロや電気のライブが忙しかったんで、あんまりやってないけど、けっこう普段から作ってはいる。そのために自分のスタジオがあるから。「ヒマだからちょっと作ってみよう」とか、あとストックがあると、人から依頼が来た時にポンと出せるでしょ?あと電気の曲とかも……作りかけてわざと途中でやめといて、あとで続きを作るとか。自分のソロの曲はだいたいその日のうちに全部完成しちゃうんだけど。……あれ、今「このあと何を聞こうかな」って考えてる?(笑)。
――はい。サンレコを読み上げられずにすむ質問はなんだろう?と(笑)。
『LUNATIQUE』 日本が世界に誇るテクノ・マエストロ、石野卓球(電気グルーヴ)による、6年振りのオリジナル・ソロ・アルバム。全10曲からなる、“官能と恍惚”のエレクトロニックミュージック集 |
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