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プロレス歴、2年2か月。ジェイク・リーの葛藤【最強レスラー数珠つなぎ vol.3】

――プロレスを始めたのは、全日本プロレスに入団してから?

ジェイク:それまで格闘技というものを全くしてこなかったんです。普通はプロレスラーになるために、高校の頃からレスリングや柔道をやって、基礎体力をつけて、プロの世界に入ってもすぐについていける下準備をするんですけど。僕はそういうことを全然やってこなかったんですよ。だから入った当初はものすごく苦労したのを覚えています。

――どんな苦労だったのでしょうか。

ジェイク:重量挙げは、ものの数十秒で終わる競技なので、体力づくりの練習なんてほとんどやらないんです。一発にかけるために、どれだけ高重量を扱って練習するかという感じで。インターバルは自分のペースでやりながら、その瞬間だけ集中すればよかったんです。けどプロレスは、相手はバーベルじゃなくて人間です。相手に合わせなきゃいけないし、自分が余裕を持ってリードしなきゃいけないときもあるし。その分、体力、気力ともに充実しないといけないですから。

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――プロレス技に関しては、いかがでしたか。

ジェイク:全くなにも分からなかったです。ラリアットとかドロップキックとか、一般的に知られているポピュラーな技は知っていましたが、小さい頃から憧れて見ていたわけではなかったので。毎日のようにプロレスを見ろといつも言われていました。

――一番最初に始めたのはどんなことでしたか。

ジェイク:基礎体力があまりにもなかったので、技以前の問題でしたね。もちろん練習生はみんなそこからスタートするんですけど、僕の場合はそれが酷すぎて。例えば腕立て伏せにしても、セットを刻んで何百回もやるわけですよ。でも僕は序盤でバテてしまってできなくなっちゃうんです。体力がないから、それを継続する持久力が皆無に等しかったです。

――入門してからデビューまで、5、6か月ですよね。その間にすべて身につけたんですか。

ジェイク:いや、全部が全部じゃないんですよ。とにかくできることをやるしかない。あとは覚えていくしかないという感じでした。相手選手がいるからプロレスは成り立つということを、そのときすごく実感しました。一定の水準まで達していない当時の僕を引き出してくれたのは、相手選手です。だから試合として成立したんですよね。

――その後、9か月で引退されます。

ジェイク:デビューして、実際にシリーズを完走したのは1シリーズだけでした。次のシリーズのときに途中でケガをしてしまって、負傷欠場という形になったんですけど。自分自身が、「俺はなんのためにこの競技をやっているんだろう?」と感じて、要は心が折れちゃったんです。引退してからは地元の北海道に帰って、整体師の仕事を3、4年くらいやっていました。

――その間に、総合格闘技をやられていたんですね。

ジェイク:学生時代、プロレスの代わりじゃないですけど、見ていたのがK-1とかPRIDEだったんです。総合格闘家になりたいという気持ちも強くて、高校3年生のときに親に相談もしているんですよ。でも母に、「大学だけは行っておきなさい。それでも志が変わらないなら好きなようにしなさい」と言われたんですよね。

――整体師のお仕事をされながら、総合格闘技を?

ジェイク:ホントに趣味程度だったんですけど、「やっと自分のやりたいものに足を踏み入れることができた」という感じでした。仕事が終わってから道場に行って、ミットを叩いたり、スパーリングをしたり。どこにでもいる、格闘技を趣味でやっている人でしたね。アマチュアの大会に出させてもらったことは何回かあるんですけど。

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なぜプロレス界に戻ってきたのか

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■【カーベル presents 全日本プロレス in 両国国技館】 東京・両国国技館
【開催日】2016年11月27日(日)
【開場時間】13時30分
【開始時間】15時00分





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