エロく激しくいやらしいJCが理想とする先生像とは?
ここで不思議なのは、授業が楽しいとか服装に口うるさいとか遅刻生徒をしばいて回るとか出すレポートがめんどくさいとか、そういう生徒にとっての実益は人気にさほど影響しないということである。女子中学生は合理性や有益性で恋なんてしない。彼女らが便利で将来性をときめきより優先しだすのは女子大二回生くらいになってからである。
で、恋している生徒が多い先生、「ヤルならどっち」の勝負に強い先生と、そうでない先生の間には当時はいまいち言語化できなかったものの、圧倒的な深い溝があるのだが、それは何か。前者の代表格であった峯岸先生と、後者の代表格の青山先生を想起するとそれは分かりやすい。ふたりとも40代前半で高等部の担任である。
峯岸先生は体育科の先生で、色は浅黒く背は高いが強面で別に見た目に華やかさはない。シスターとかがうろうろしてる学校ですし、実際には持っていなかったような気もするが、イメージ的にはジャージ姿に竹刀を片手に、服装の乱れた生徒をぎろりと睨む感じ。無愛想で単位にも厳しく、遅刻は減点、生徒のお祭り行事にも最低限の顔しか出してくれない。
青山先生は、平均的な黄色人種の顔色で、メガネをかけてはいるが、キモオタ臭はない、清潔感もそれなりにある数学の教師である。生徒指導はそれなりに厳しいが、授業は結構楽しい。雑談が長いため、寝る生徒は少なかった。授業は人気。峯岸先生の緊張感しかない授業よりずっと気楽。
’83年、東京都生まれ。慶應義塾大学環境情報学部卒。東京大学大学院学際情報学府修士課程修了。専攻は社会学。キャバクラ勤務、AV出演、日本経済新聞社記者などを経て文筆業へ。恋愛やセックスにまつわるエッセイから時事批評まで幅広く執筆。著書に『「AV女優」の社会学』(青土社)、『おじさんメモリアル』(扶桑社)など。最新刊『可愛くってずるくっていじわるな妹になりたい』(発行・東京ニュース通信社、発売・講談社)が発売中
記事一覧へ
『おじさんメモリアル』 哀しき男たちの欲望とニッポンの20年。巻末に高橋源一郎氏との対談を収録 |
記事一覧へ
『おじさんメモリアル』 著者が出会った哀しき男たちの欲望とニッポンの20年 日刊SPA!の連載を単行本化 |
『「AV女優」の社会学 なぜ彼女たちは饒舌に自らを語るのか』 慶応大学環境情報学部卒。東京大学大学院学際情報学府修了。本書がデビュー作。 |
『身体を売ったらサヨウナラ 夜のオネエサンの愛と幸福論』 「お乳は生きるための筋肉」と語る夜のおねえさんの超恋愛論 |
この連載の前回記事
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ