“レッスルマニア14”の点と線――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第284回(1998年編)
いわゆる前座の第1試合からスーパーヘビー級のタッグチーム15組、全34選手がいきなり登場してくるあたりがWWEの選手層の厚さ――“レッスルマニア”の敷居の高さ――を物語っていた。LOD2000の新マネジャーにサニーが抜てきされた意図がその後、さまざまな憶測を呼んだ。
第2試合では“レッスルマニア”初出場のTAKAみちのくがアギラを挑戦者に迎えWWE世界ライトヘビー級王座防衛戦をおこない、十八番のみちのくドライバーⅡでこれを一蹴。ボストンの観客がTAKAのスワンダイブ式のミサイルキックに“おーっ”とどよめいたのが印象的だった。TAKAを中心とした中軽量級のルチャリブレ路線が確実にアメリカのファンのハートをつかみはじめていた。
第3試合ではトリプルHがオーエン・ハートを退けWWEヨーロピアン王座を防衛。前年11月の“モントリオール事件”で兄ブレット・ハートがWWEを退団後、その去就が注目されていたオーエンは新たにWWEと5年契約(2002年11月満了)を交わした。いまになってみると、この契約がオーエンの運命を狂わせてしまったのだった。
第4試合にラインナップされたマーク・メロ&セイブル対ゴールダスト&ルナ・バションの男女ミックスト・タッグマッチは、この試合が“デビュー戦”のセイブルがルナをフォール。人気急上昇中のセイブルは『PLAYBOY』誌でヌードを公開するなど話題をふりまいたが、その後、夫メロとは予想どおりといえば予想どおり離婚してしまった(現在はブロック・レスナーと再婚)。
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