貧困ビジネスで搾取されても幸せ…生活保護受給者(50代・男)の自称“ホワイトすぎる生活”
本年1月、さいたま市は「貧困ビジネス」規制条例に基づいて、同市岩槻区内で生活保護受給者を受け入れる施設への行政処分を出したと発表した。併せて同区内で運営する5施設のうち4施設において、新たな入居者を受けいれないよう命じる処分も下された。
このような「貧困ビジネス」組織が運営する施設で暮らすのは、元ホームレスの生活保護受給者だ。路上で施設関係者から声をかけられ、「布団もメシもあるからウチの寮に来ないか」と魅力的な誘いを受ける。ところが実際に入寮してみれば、生活保護を申請され、その保護費を半強制的に徴収されてしまう。
弱者が強者に搾取され、軟禁に近い生活を余儀なくされ、辛い毎日を送る。世間はそんな彼らを「被害者」として扱い、可哀想な人として認識しているようだ。
しかし、今回処分が下ったさいたま市の同施設で現在も暮らす梶田さん(仮名、50代前半)に話を聞いたところ、入居者たちの暮らしはどうも、そんな認識とはかけ離れているようだ。
「正直、ホームレス時代と比べたら天国といえる生活。普通にメシは食えるし、個室も布団もある。困ることはほとんどないね。仕事もせずにこの生活が送れるなんて、奇跡だとすら思うぐらい」
搾取されている可哀想な人たちとは思えない。それどころか施設に対して感謝しているかのような言葉だ。彼にとっての「奇跡」の生活はどうやってスタートしたのか。
「オレはもともと池袋の公園でホームレスをしてて、ここの管理人に声をかけられた。怪しいなとは思ったけど、寮についてすぐに説明を受けて。生活保護の手続きも管理人がやってくれるし、オレはただ着いていくだけでいいっていうから、その通りにやったんだよ」
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その後申請が受理され、月に一度の保護費受取日がやってきた。
「オレはね、正確にはいくら保護費が出てるのかは把握してないの。そっくりそのまま管理人に渡して、そこから毎日500円もらってる。でも寮費はかからないし、朝昼晩のメシは出るでしょ。だからオレが払うのはタバコと酒代くらいだから。3日にひと箱のタバコと、毎日1本の缶チューハイが買えるんだから、十分だよ」
梶田さんは当初、「一日千円渡す」と聞かされていた。だが、実際にもらえるのは500円だ。この点だけ見ても約束と違うはずだが、彼は「そのぐらい仕方ないでしょ」と笑みを浮かべる。やはり無一文だった生活と比べれば、わずかながらの日銭が入ってくる毎日は大違いなのだろう。
「ウチの寮では50人ぐらいは生活してる。門限だのなんだのって面倒なルールもないし、気楽なもんだよ」
池袋のホームレスから「貧困ビジネス」で生活保護受給者になった男
「普通にメシを食えるし、奇跡の生活だよ」
1日にもらえるのは500円
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