更新日:2022年08月22日 02:47
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貧困ビジネスの必要悪な側面――お金を持つと酒やギャンブルに使ってしまう生活保護受給者もいて…

 ユニティーで衣食住を共にした人たちは高齢者のホームレスが多かった。極端な話、「シモの世話が自分でできればどんな人でも受け入れる」のだという。 「入居者には被害者意識を持つどころか、感謝している人もいました。確かに生活保護を始めると依存してしまうのもわかる。グータラ生活を続けていたら、なおさらです。もっと別の形で支援する方法を考えていかなければならないでしょう」  結局、ユニティーは’14年に代表者が脱税で逮捕され閉鎖された。だが、長田氏は無料低額宿泊所のすべてが貧困ビジネスだとは言えないと強調する。 「例えば、首都圏で自立支援施設を運営するNPO法人『SSS』は、入居者が払うお金の内訳を貼り出しています。食事がいらなければ、食費も直接現金で受け取ることができる。そうすると払うのは家賃と光熱費だけです。途中で退去しても、差額は戻ってきます」  こうした施設の功罪は、単純に割り切ることはできないのだ。 【長田龍亮氏】 ’80年生まれ。偶然に手にした求人情報誌で「ユニティー出発」を知り、生活保護の実態を潜入調査する。著書に『潜入 生活保護の闇現場』(ミリオン出版)がある ― [生活保護]のリアル ―
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