更新日:2017年05月02日 20:51
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若者に「写ルンです」がリバイバルブーム。そこには戦略PR「そもそも」の法則があった

 2年ほど前に世界中で話題になった、P&Gの「Always#LikeAGirl」キャンペーンは「そもそも」の成功例だ。生理用品ブランドとして世界的に展開している「オールウェイズ(Always)」は、「女性らしさ」「女の子らしさ」というものが、実はこの社会の中で、本人の意思とは関係なく規定されていることに着目。ある社会実験を行った。「女の子らしい動きをして」とカメラの前に立つ大人に指示すると、女性を含むほとんどの大人は、しおらしいクネクネした動きをする。次に、同じ指示を7、8歳の少女にしてみる。彼女たちが見せるのは、「女の子らしい」とはかけ離れた、実に堂々とキビキビした動き。これを捉えた動画は世界中に拡散された。それをメディアも報道し、ブランドの好意度は大きく向上した。
 ある種の価値観や考え方は、多様化し広がっているようにみえて、その実、「浅く広がっているだけ」ということもままある。どこか本質が忘れられたまま、まるで海面に広がる油のように表面的な広がりを見せる。そこに浮かぶのは、サイロ化した無数の各論だ。「ちょっと待て。なんか深いところの話が置き去りじゃないか?」と、社会が気づき始める少しだけ前。それが「そもそも」をしかける時だ。「Always#LikeAGirl」キャンペーンも、世界的なジェンダーイコール(男女共同参画)議論が多様化してきた頃合いに登場した。戦略PRにとって重要なことのひとつは、世の中の「潮目」を読むこと。そういった意味では、この「原点回帰の周期」の見極めもまた、成否を分ける大きなポイントなのだ。  このたび出版した『戦略PR 世の中を動かす新しい6つの法則』では、「そもそも」のほか、「おおやけ」「ばったり」「おすみつき」「」「しみじみ」「かけてとく」の6つの法則を紹介。商品力や宣伝力だけではモノが売れない時代の戦略PRとは何か?を綴っている。<取材・文/本田哲也> 本田哲也●戦略PRプランナー。「世界でもっとも影響力のあるPRプロフェッショナル300人」にPRWEEK誌によって選出された日本を代表するPR専門家。著書に『戦略PR 世の中を動かす新しい6つの法則』『戦略PR』など。
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戦略PR 世の中を動かす新しい6つの法則

「商品力」や「宣伝力」だけでは、もはや人は動かない。

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