文春・新潮だけではない! ライバル誌の乱れた情報合戦「あらぬ疑いをかけられて仕事を干されました」フリーライターが告白
また、別のフリーライターBさん(30代前半)は、ライバル誌で情報が似てくることには、こんな裏事情もあるのだという。
「じつは、1回の取材で“情報をバラしている”んです。バラすというのは、情報漏洩・相手に教えるのではなく、“分解する”という意味です。紙媒体のギャランティが低下しているなか、取材や執筆の労力自体は変わっていない。それならば、1回の取材で様々な媒体用に違った内容の原稿を書くんです。もちろん、筋が通らなくなったり、論調が変わってしまわないように気を付けていますが。メシを食っていくための工夫であり、特別珍しいやり方ではない」
その後、両方の雑誌が廃刊。「どちらにせよ、このジャンルの雑誌はもう限界である」と感じていたAさんは、大手の一般誌や企業の広告メディアなど、主戦場を他にうつし始めていたことから、仕事を干されたからといって食い詰めることはなかったというが……。
「だれもが情報やネタ、ギャラなどを巡って疑心暗鬼になっていた頃なので、特に干されたことを怒ってはいません。いざライバル誌が潰れたら、ひとり勝ち状態だと思うでしょう。そうではありません。ライバルが存在しないと、業界全体もいまいち盛り上がらないんですね。結果的に両方の雑誌がなくなってしまったことは非常に残念です」(Aさん)
このような情報合戦はどの媒体でもありえることかもしれない。しかし、文春と新潮の件が、トーハンなどの取り次ぎまでを巻き込んでいたことが事実だとしたら……事の顛末を見守りたい。
<取材・文/日刊SPA!取材班>
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