ゴキブリの“殺虫剤耐性”は遺伝子進化していた!? 人類vsゴキブリの最前線で戦うメーカー研究員の苦悩と決意
さて、これから暖かくなるとゴキブリ最盛期(7~8月)を迎える。そこら中からゴキブリが出てきてしまっては困る……。どうしたらいいのか。
「ゴキブリの動きが活発になって増える前に対処をするのが重要。増えてしまってからでは、1匹を倒したところでどうにもなりません。いまのうちに先制攻撃をしておくと効果的です。たとえば、『ブラックキャップ』という毒餌剤があります。置いておくだけで駆除できます。メスの卵にも効きますよ。半年の効果があるので、いまやって、冬前にもう一度という使い方が良いでしょう」
こうした“予防”をしておけば、その後ゴキブリの発生がグンと減るそうだ。とはいえ、もしも読者の皆様で本記事を読んだのが、すでに最盛期(7~8月)になってしまっていたのだとしたら……。
「その頃には、すでに増えてしまっている可能性はありますよね。とにかく徹底的にまとめて駆除したい方には、くん煙剤の『アースレッド』。ゴキブリの卵は殺虫成分を通しにくい殻(卵鞘)に覆われています。まずは1回、その2~3週間後にもう1回使えば、残った卵からかえった幼虫まで駆除することが出来ます。そこまでゴキブリが出現するわけではない人には、先ほどの毒餌剤で良いかなと思いますが。とはいえ、効果がずっと続くわけではないので定期的に使うことをオススメします。アース製薬では駆除スケジュールも提案しています。ただ、絶対に完璧ということはないので、ゴキブリに来て欲しくないキッチンなどには忌避剤を置いておくなど、併用するのがいちばんですね」
⇒【資料】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1341792
このように、ネット情報の真偽を含めて、ゴキブリの弱点と対策がわかった。しかし、追い詰められたゴキブリの行動として、こんなコワい情報も……。
・ネット情報
果たして、渡辺氏の回答とは……。 「これは壁にいるゴキブリが叩かれたりしたことでパニックになって、たまたま飛んできたのだと言えます。前編でもお話させていただいた通り、ゴキブリは上の方向にはほとんど飛ぶことが出来ません。グライダー飛行なので、ちょうど斜め下ぐらいに人間がいた場合は、偶然そういうこともあるのかもしれませんね(汗)」
正しいゴキブリの対策方法はわかった。だが、さらにはこんな話を聞いたことがある。殺虫剤をかけて生き残ったゴキブリには耐性が付き、サイヤ人のごとくパワーアップしてしまう、というものだ。
「それで強くなるというよりかは、殺虫剤が中途半端にかかったとき、もともと強かった個体は生き残り、弱い個体は死にます。強いものが生き残って子孫を残すので、必然的に耐性が強いものしかいなくなります。例えば、殺虫剤を頻繁に使う飲食店などで生き残っているゴキブリは、遺伝子としてより耐性が強いものである可能性はありますね」
裏を返せば、常にこちらの薬剤も進化させなければならない、ということでもある。
「弊社も薬剤に対して抵抗性が強いゴキブリに向けた殺虫剤を開発していますし、抵抗性が付きにくい成分を配合した殺虫剤も作っています。とはいえ、ゴキブリは日々進化していて、当然10年後はさらに強いものがいるという想定になります」
つまりメーカーとゴキブリの戦いは今後も続くのである。
「やっぱりゴキブリって、だれにとっても嫌な存在ですし、興味があるテーマだと思います。ネットで様々な情報が飛び交ってしまうこともわかります。なかには、効果的な方法もあるのかもしれません。私たちも『こういったものがあればいいのにな』と無限の可能性を考えて実験していますが、ちょっと効果があるだけでは商品化できません。私たちは何年もの時間をかけて確実な効果を求めて研究し続けています」
だが、なぜそこまでゴキブリを追求できるのか。じつは渡辺氏……ゴキブリが好き?
「いいえ、嫌いです。嫌いですよ(キッパリ)。でもお客様から『ありがとう』という内容が書かれた直筆の手紙をもらったことがあるんです。それを見て、だれかの役に立っているんだと実感しました。私たちは、これからも皆様が快適に暮らしていけるように努力していきたいと思います」
<取材・文/藤井敦年>
明治大学商学部卒業後、金融機関を経て、渋谷系ファッション雑誌『men’s egg』編集部員に。その後はフリーランスで様々な雑誌・書籍・ムック本・Webメディアの現場を踏み、現在は紙・Webを問わない“二刀流”の編集記者として活動中。若者カルチャーから社会問題、芸能人などのエンタメ系まで幅広く取材する。趣味はカメラ。X(旧Twitter):@FujiiAtsutoshi
【ゴキブリはピンチになると、人間に向かって突進してくる!】
果たして、渡辺氏の回答とは……。 「これは壁にいるゴキブリが叩かれたりしたことでパニックになって、たまたま飛んできたのだと言えます。前編でもお話させていただいた通り、ゴキブリは上の方向にはほとんど飛ぶことが出来ません。グライダー飛行なので、ちょうど斜め下ぐらいに人間がいた場合は、偶然そういうこともあるのかもしれませんね(汗)」
今後もゴキブリとの戦いは続く……!?
明治大学商学部卒業後、金融機関を経て、渋谷系ファッション雑誌『men’s egg』編集部員に。その後はフリーランスで様々な雑誌・書籍・ムック本・Webメディアの現場を踏み、現在は紙・Webを問わない“二刀流”の編集記者として活動中。若者カルチャーから社会問題、芸能人などのエンタメ系まで幅広く取材する。趣味はカメラ。X(旧Twitter):@FujiiAtsutoshi
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