ヒップホップグループ・TOKYO HEALTH CLUB――高所作業車に乗ったMVで「楽しく音楽やりたいのに」「なんでこんな目に……(笑)」
「フリースタイルダンジョン」など、ラップ・バトル/MCバトルが活況を呈するヒップホップ・シーン。一方でそういった「熱さ」と真逆ともいえる、非マッチョで文系的な精神を持ったラップや、シティ・ポップとの親和性を持つ、クールなヒップホップもシーンの中で大きな潮流となっている。その現在の筆頭に挙げられるのが3MC&1DJのヒップホップ・グループ:TOKYO HEALTH CLUB(以下THC)だ。このいわゆる「文化系」ヒップホップとも呼べる彼らが昨年リリースした『VIBRATION』は、クールで洒落た感性を作品に湛え、更に彼らの名声を高めたが、今回発売された新作となる『MICHITONOSOGU』はそういった瀟洒なセンスはそのまま保ちつつ、同時に王道のヒップホップ性をより高め、ヒップホップ・グループとしてのTHCの存在を明らかにする。新たな側面を見せる彼らの向かう先とは。
⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1342414
――前作『VIBRATION』から今作『MICHITONOSOGU』までの間には、スターダストに所属する男性ラップ・アイドル、MAGiC BOYZのシングル「3.141592」をプロデュースするなど、外への広がりも強くなりましたね。
JYAJIE:繋がりが増えていったし、それが結果、色んな仕事にも広がっていって。
DULLBOY:このミニ・アルバムの収録曲の中でも、“東京Swingin’”は『WEGO』とのコラボ企画『WE GOOD TOKYO』のテーマ・ソングとして作った曲だったし、“supermarket”は『モヤモヤさまぁ~ず2』のED曲に起用して貰ったり。
TSUBAME:『VIBRATION』を出してから色んな人が見てくれるようになったと思いますね。
SIKK-O:ライヴを見に来てくれる人とか、話しかけてくれる人も増えましたね。
TSUBAME:SIKK-Oファンが増えたよね。
SIKK-O:可愛いコばっかり。
――ラッパー・ドリームだね!MAGiC BOYZのライヴにTHCが出た時も、「あの人達ってどんな人達なの?」って、マジボの中高生のファンの子が話してて。
JYAJIE:単純に「なんなのあいつら……」って感じじゃなくて?
TSUBAME:「『3.141592』作っただけの裏方がなんでライヴ出てくんの?」的な。
DULLBOY:「ツラが裏方なんだよ!」って。
――暗いわ!
SIKK-O:そういう屈折は全く変わってないですね(笑)。でもライヴや活動について真面目に考えるようにはなってますね。「良いライヴを見せるには」とか、ちゃんと考える機会は増えたと思う。今までみたいにメンバーの半分が泥酔してるようなライヴは無くなった(笑)。
JYAJIE:そういう奴もいたね~。
TSUBAME:まあ君(JYAJIE)とDULLBOYなんだけど(笑)。その意味では、見せる側としての、「プロ」としての意識は芽生えたと思いますね。
SIKK-O:繰り返し僕らのライヴに来てくれる人も増えたから、同じようなライヴを見せないようにも考えるし、しかも友達を連れてきてくれたりするから、「友達を誘ったこのコに恥かかせないようにしなきゃ!」とか(笑)。ステージの大きさとか入りによって空気が違うなって事も分かってきたし、ライヴのMCで、お客さんだった頃は「俺たちとお前たちでライヴを作ってるんだ」的な事を言われても何言ってんだ?と思ってたけど、今はその気持ちが分かるようになりましたね。
TSUBAME:ワンマン・ライヴの時に、SIKK-Oが「今日はありがとう」ってお客さんに言ったのが面白かったんですよね。「こいつもそういう事が言えるんだ」って。
SIKK-O:感謝ぐらいするわ。
JYAJIE:ライヴの最後に泣いたりとかしようよ、これから。

|
『MICHITONOSOGU』 “THCらしいヒップホップスタイル”を感じられる作品 ![]() |
【関連キーワードから記事を探す】
ヒップホップグループ・TOKYO HEALTH CLUB――高所作業車に乗ったMVで「楽しく音楽やりたいのに」「なんでこんな目に……(笑)」
“スチャダラパーの再来”と噂のTOKYO HEALTH CLUBを直撃
「不老不死を目指してます」東大在学中に起業で6億円を手にし、大阪万博にアートを出品…28歳“天才”の頭の中
「新歓で受けた悪質なドッキリ」にげんなり…国立大を1年で休学した男子学生が、東京藝大に通うまで
「歌で世界に光を届けたい」海外を席捲する日本人女性シンガーの“揺るがぬ信念”
10年1万本のうち「満足いくのは十数本」。世界的オカリナ奏者68歳が語る、妥協しない考え方
ユニクロ「UT」1500円で買えてしまう最高峰のグラフィックTシャツ
夜職を辞めた女性たち3人が歩む“その後の人生”。「パパ活女子に逆戻り」してしまうケースも
野島樺乃、3度目のデビュー「誰にも繕わない素直な自分を届けたい」
「300円が7万円に」パチンコの“ビギナーズラック”で人生が狂った50歳男性。18歳で“爆勝ち”を経験してしまった男の末路
大ヒットした『RRR』主演俳優が語る、インド映画躍進のワケ「日本のファンの愛情もすごいよね」
ヒカル×入江巨之「視聴者ファースト」で上場を諦めた真相。“1週間に10億円”売り上げる男が語る革新的経営
【対談】孤高のラッパー般若×SITE「高校時代を過ごした1990年代から 内に秘めたものは変わらない」
『少年イン・ザ・フッド』第7巻予約開始。帯の推薦コメントは“RHYMESTER”宇多丸さん!
「あくまで“かっこよく稼ぐ”」現役ラッパーの経営者としての顔。“二面性”で抱えた葛藤の先に/AK-69インタビュー
『少年イン・ザ・フッド』第5巻発売決定。Amazon、ビレバン、タワレコで購入者特典を実施!
炎上した音楽イベント「NAMIMONOGATARI」。名古屋で囁かれる主催者の悪評
ラッパーUZIの大麻所持、600グラムは起訴か?実刑か?
晋平太が語るMCバトル論「自分で恥ずかしいと思うようなラップは一度もしたことない」
『フリースタイルダンジョン』完全制覇の晋平太が激闘を振り返る「オファーがあったときは『自信ないな』みたいな感じでした」
ヒップホップグループ・TOKYO HEALTH CLUB――高所作業車に乗ったMVで「楽しく音楽やりたいのに」「なんでこんな目に……(笑)」
サラリーマンがラップバトルに参戦するワケ もはやビジネスの必須スキル!?