980万円のフェラーリ328GTS vs 実質5万円のBMW M3。カーマニア垂涎の名車対決
MJ:ま、値段のことはこれくらいで。それよりオレが328に買い替えたのは、前の458イタリアじゃあまりにも速すぎて、もう走る場所がないって感じたからなんだ。
K:だから、あえて古くて速くないフェラーリに乗り換えたんですね。
MJ:そう。速すぎると楽しめない。快楽を味わえない。でもこの328なら、フツーに走ってるだけで、ものすごく気持ちいいし、見た目もキュートで超絶美しい。現代のスーパーカーには望めない最高のゼイタクがここにある!
職人:それは持てる者の上から目線ですね。実質5万円でM3を手に入れた僕としては、この速さが夢のようです。
MJ:確かに速かったね。パワーダウンされてる北米仕様の並行輸入モノで、しかも21年落ちだから、マトモに走るのかと思ったけど、オレの328と互角でビックリした。
職人:僕にとっては生まれて初めての6気筒車。それも憧れのBMWの直列6気筒ですよ。これが自分の夢の終着駅、よくぞここまで来たなって感じです。
K:実質5万円でも?
職人:コスパが高いってことです。
MJ:走行16万kmでも?
職人:それだけ走れた勇者ってことです(笑)。
MJ:ひょっとしてこのM3、今が底値でこれから値上がり……、はしないか。走行16万kmじゃ。
職人:仕事柄、年間4万kmは走りますし。
MJ:じゃ1年後には20万km! そこまで持つかどうかも怪しいな。これで走行5万kmくらいのディーラーもので、チビチビ大事に乗るなら値上がりもあった気がするけど。
職人:そんなタマは、そもそも予算オーバー。購入するのに300万円は必要です。
K:でも、これから値上がりしそうな底値のネオクラシックカーを狙うって、アリじゃないでしょうか?
職人:パジェロイオとか? 名車パジェロの名を冠して底値ですよ。
K:三菱GDIエンジンは不治の病を抱えてるじゃないですか! それより初代アウディTTなんかどうです? 30万円台からありますよ。
MJ:あれは名車だね。10年寝かせればイケそうだ。
K:マツダのRX-8もネオクラシック予備軍では?
MJ:いずれにせよ、走行距離少な目で大事にされてきた個体じゃないとダメだけどね。物々交換レベルのクルマはたいてい過走行。余命は長くない。
職人:1年乗れれば御の字だと思ってます(諦観)。
MJ:美しく燃え尽きてね!
K:応援してますよ~!
【結論】
結局、無欲で名車を買い、愛をかけて大事にしてきた者が勝つのがこの世界なので、欲だけかいてもダメですが、クルマ好きならネオクラシックカーは狙い目。時代はそっちに振れている気がします

―[道路交通ジャーナリスト清水草一]―
1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中 1
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