BMWといえばストレート6(直6エンジン)、ストレート6といえばBMWというのは今は昔。ダウンサイジングターボ化の波にさらされて、巷では4気筒ターボのBMWが主流に。クリーンディーゼル・ブームもあり、ストレート6の系譜に連なるBMWはもはや絶滅寸前。保守系カーマニアの担当Kとしては、そんなストレート6の行く末を案じずにはいられません。
MJブロンディ=文 Text by Shimizu Souichi
池之平昌信=写真 Photographs by Ikenohira Masanobu
激安中古BMW同好会がゆく!
実質5万円の物々交換で、BMWの名車M3を手に入れた流し撮り職人こと池之平昌信。その後のカーライフはどうなのか?
最新のBMWに試乗しながら、カーマニアの伝統である口(くち)プロレスをやってみた。
MJ:よお、M3オーナー! エリートなカーライフ送ってる?
職人:いや~、クルマがあまりにも頂点すぎて、腫れ物に触る感じです。
MJ:実質5万円でも(笑)!
職人:値段は関係ないんですよ。なにしろBMWのストレート6を積んだ世界の名車ですから。
MJ:走行16万kmでもね。となると、今までみたいに年間4万kmも乗るのはもったいないでしょ?
職人:それが悩みの種で……。
MJ:トラブルは?
職人:運転席のドアが外から開かなくなったので、助手席から手を伸ばして、内側のドアノブで運転席のドアを開けてます。
MJ:それ、かわいいね!
職人:いやあ、大した問題じゃないですよ。エリートの余裕です(笑)。
MJ:実際、職人のM3はパワーダウンした北米スペックの並行輸入ものなのに、エンジンがメッチャ気持ちいい。そこで今回は、「BMWのストレート6は今」と題して、直6の3リッターターボを積んだ440iカブリオレと比較してみたわけだ。
⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1376693
440iカブリオレの直6ターボエンジン
職人:いくらでしたっけ?
MJ:929万円。
職人:天文学的な値段ですね(笑)。
MJ:さすが高級車だよね。でもさ、エンジンに関しては、あれ、って思わなかった?
職人:意外と気持ちよくないですね。
MJ:そう。速いけど、ターボ化でトルクがフラットすぎてドラマがない。高回転まで回すと逆にトルクのタレすら感じる。
職人:僕のM3のほうが、気持ちよさでは断然上ですね。マニュアルだし、速さも同じくらいだし。
MJ:速さは差があるでしょ! 職人のM3は速く感じるだけ! それが重要なんだけど。
職人:どんなクルマにも負ける気はしませんけどねえ。
MJ:その割にはのんびり走ってるらしいじゃない。
職人:エリートの余裕ですよ。こんないいクルマに乗って、頑張る必要ないじゃないですか。そういう世界を初めて知りました(笑)。
MJ:5万円でドアノブが壊れてるけどね!
職人:それは修理に出します。