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女優・織田梨紗、出演2作目で主演に抜擢「強い女性に憧れがあるんです」

“言葉の理解できない2人が通じ合う瞬間”を見てほしい

 卑怯者こそが、平和の実践者――。当時は「国のために戦え」という価値観が当然とされていた。この作品は、今を生きる私たちに鋭い問いを投げかける。 「生きてあれ」  そして、戦時中の少女という難しい役どころを見事に演じきった彼女。ファッションモデルもこなし、女優まで活動の幅を広げているが、どこかミステリアスな雰囲気も漂う。今回の洋海役を終え、インタビューでは“織田梨沙の素顔”も垣間みられた。 織田梨沙-10 ――今回の映画では16歳の洋海役(織田さんは現在21歳)。演技をするときに意識していたことを教えてください。 織田:感覚的な部分なので説明が難しいのですが、“現代の16歳と戦時中の16歳では違う”、ということを常に意識しながら演技していましたね。 ――ちなみに、織田さんが16歳のときはどうしていましたか? 織田:当時はまだモデルになりたてだったので、たくさんファッション雑誌を買ってポージングの研究をしていました。 ――撮影中の思い出や印象的な出来事はありますか。 織田:映画の冒頭の海中で泳いでいるシーンについてスタッフ間で議論があって。最終的には監督が悩んだすえに決めたのですが、全員が真剣に意見をぶつけあうのを目の当たりにして。それは、“みんなで良い作品にしよう”という気持ちがあるからこその出来事でした。そのとき、この作品に携わることができて、本当に良かったと思いました。 ――では、大変だったことを教えてください。 織田:じつは、大変だったことはなかったかもしれません。もちろん、演技やセリフは大変なのですが、ツラいと感じたことは一度もありません。洞窟の中での撮影だったので、涼しくて、神秘的で。もともと自然が大好きなんですよ。撮影スケジュールは詰まっていましたが、丸々一日ということはなかったので。空き時間があれば、きれいな海を眺めたり、島内を散歩してみたり。以前、家族旅行で沖縄に行ったこともありましたが、そのときはダイビングをして楽しんだり。いまの平和な沖縄が好きですね。 ――織田さんにとって、今回の映画で好きなシーンや見所は? 織田:いちばん好きなのは日本兵の隆康と米兵のボブがお互いのヒゲをじゃれあいながらシェービングしているシーンです。それまでは少し敵対心が残っていて、言葉も理解できない2人が、心が通じ合った瞬間。ようやく笑顔が見られて。しかも、通訳の洋海がいないときだったので、なおさら印象に残っていますね。 ――最後に、女優という仕事のやりがい、今後はどんな役に挑戦してみたいか教えてください。 織田:じつは、アクションがやってみたいんです。スポーツとかカラダを動かすことが好きなので。いわゆる“強い女性”に憧れがあるんです。あとは、すごく頭がキレる役とか、映画のなかでは現実の自分とは少し違う風にもなりたいなって。変身願望に近いのかもしれません。だから、女優という仕事の楽しみとしては、“その瞬間なりたい自分に近づける”ことかな。 ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1358466 織田梨沙-14 <取材・文/藤井敦年、撮影/林紘輝、ヘアメイク/内藤歩、スタイリング/杉本学子、衣装協力/サンエー・ビューティーN.>
明治大学商学部卒業後、金融機関を経て、渋谷系ファッション雑誌『men’s egg』編集部員に。その後はフリーランスとして様々な雑誌や書籍・ムック・Webメディアで経験を積み、現在は紙・Webを問わない“二刀流”の編集記者。若者カルチャーから社会問題、芸能人などのエンタメ系まで幅広く取材する。X(旧Twitter):@FujiiAtsutoshi
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●映画『STAR SANDー星砂物語ー』
監督・脚本:ロジャー・パルバース
原作:『星砂物語』(講談社刊)
主題曲:坂本龍一
出演:織田梨沙、満島真之介、ブランドン・マクレランド、三浦貴大、吉岡里帆、寺島しのぶ、渡辺真起子、石橋蓮司、緑魔子 ほか
http://www.star-sand.com/

2017年8月4日(金)より東京・ユーロライブにて、8月5日(土)より横浜シネマ・ジャック&ベティにて公開 ほか順次

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