“負け組”独身男たちの吹き溜まり!? 足立区竹の塚の「色恋禁止な夜」に密着
50歳の時点で一度も結婚をしていない「生涯未婚者」は上昇の一途をたどっている。直近2015年の国勢調査では、男性23.37%で5年前の調査と比べて3%以上増加している。15年後、この数字は30%超――つまり、男性の3人に1人が結婚しないまま一生を終えると予測されているのだ。そんな“負け組”要素をはらむ彼らの生態と主張を検証してみた。
「一仕事終えてこの店にくると、家に帰って来たみたいに温かい気持ちになれる。お店のホステスや常連客は家族以上の存在。みんな、誰かが死んだら葬式をあげようってところまで約束している。独身男の最後の楽園だよ、竹ノ塚は」
そう語るのは自動車整備会社で働くS村さん(47歳)。この日、6杯目の緑茶ハイを豪快に飲み干した後、ヤニ下がった笑みを浮かべつつ、そう心境を吐露した。
足立区竹ノ塚――東京23区の最北端に位置する同地区には、50軒ほどのフィリピンパブがひしめきあい、“リトルマニラ”と呼ばれている。S村さんに連れられた「J」というお店は1時間3000円で飲み放題。ランチタイムにはその半額で飲めるため、休日昼には居場所のない独身男たちがこぞって訪れるという。年齢層は30代後半から70代まで幅広い。
「とどのつまり、色恋じゃないんだよな、この歳になると。この店の常連でホステスをガチ口説きしようなんて輩はいないし、いい意味で連帯は守られてるよ」
色恋禁止をことさら強調するだけあって、掟破りには厳しい。この日も、新規客と思われる30代前半の酔ったサラリーマン二人組が20代ホステスに対して「オトコいないの~?」と口説き始めていた。周囲の常連客はカラオケのリクエストもやめて、明らかに聞き耳を立てている。そして、新規客が「立候補していい?」とホステスの肩に手をのせた瞬間だった。
「おいおい。ここはよー、キャバクラじゃねーんだよなーっ」
店中に鳴り響く常連客の怒声。それを機に、新規客はすごすごと退散。声を立てた主は店中から拍手喝采を浴びていた。
「うちらにとっちゃ店のコはみんな娘みたいなもんだから、こんなのは日常茶飯事だよ」
色恋をほのめかしたい店への悪影響などおかまいなし。ともあれ、“ムラ社会”を死守せんとする負け組50代の気概だけはひしひしと伝わる竹ノ塚の夜であった。
新人キャストを両隣にはべらせてご満悦のS村さん。色恋禁止というが、単に他の男に抜け駆けされたくないだけという気も……。〈取材・文/週刊SPA!編集部〉

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