貧困から抜け出せない外国人労働者の2世たち「16歳から夜の店で働くのがフツー、10代で母になるコも」
これまであらゆる形態の貧困問題を見てきたSPA!だが、今回は貧困を生む“街”の構造を解き明かすべく取材を敢行。なぜ特定の街で貧困が生まれるのか? そこから脱することは可能なのか? 住民の声とともに見ていきたい。
厚生労働省の発表によると、日本で働く外国人労働者の数は年々増加し、昨年初めて100万人を突破。少子高齢化による労働人口不足を外国人で補おうとする構図だが、安易に推し進めることで新たな貧困が生まれているのも事実だ。
「低賃金で働く外国人労働者が工場近辺の団地などに集住。日本で生まれた子供たちに高い教育を受けさせることができず、2世、3世までもが貧困から抜け出せなくなっている地域があります」
そう話すのは、国内外で若者文化を撮り続けるカメラマンの福持英助氏だ。彼がレンズを向けるのは神奈川県平塚市。平塚といえば、戦後に戦災復興都市の指定を受け、自動車関連をはじめ工業都市として発展した地域である。現在でも工業団地が点在し、多くの外国人労働者が生活を送っているという。
そもそも福持氏がこの地で生活する外国人労働者の2世、3世を撮影するようになったのは数年前のこと。湘南界隈の夜の街で若者たちの姿にカメラを向けるうちに、“ハーフ”のコが多いことに気づいたという。
「話を聞けば、みな労働者として日本にやってきた外国人の子供たちでした。ブラジル、フィリピン、タイ、カンボジア、ベトナム、中国……親の国籍はそれぞれバラバラ。本人たちは総じて陽気でノリがいいんですが、みな決して裕福でないのは共通しています」
彼らが集住するのは工業地帯に隣接する団地群。なかでも平塚駅から5kmほど離れた横内団地は、全住民の20%弱を外国人が占めている有数の外国人タウンである。さっそく現地へと足を運んだ。
「この団地に長年住んでるけど、もともと外国人は少なくなかったからね。その頃から騒音トラブルとかケンカはたまにあったんだよ」
まず話を聞いたのは、この団地に20年住んでいるという相田正さん(仮名・61歳)。そもそもこの地に外国人が増え始めたのは’80年代後半のこと。自治体によるインドシナ難民支援で、ベトナム、カンボジアなど東南アジアから難民が移り住んできたのがきっかけだ。その後、あらゆる国から難民申請者や技能実習生が集まり、日本人との結婚、労働力としての定住申請などを経て多くの外国人が住み着くようになった。
「ただ、彼らの子供が増えだしてからのほうが正直言って治安はよくないよ」(相田さん)
平塚駅周辺で年に一度行われる七夕まつりの際は、毎年若者同士の大規模な諍いが起きているという。前出の福持氏はこう語る。
「もちろん外国人のコばかりではありませんが、正直写真撮影できないような“危険なヤツ”も多い。地元の日本人たちも警察官たちも、見て見ぬふりしている状態です。彼らは夜な夜なクラブに集まって騒いでいるんですが、そこで黒い人物たちとのつながりができて犯罪に手を染めてしまうヤツもなかにはいます」
貧困から抜け出せない外国人労働者の2世たち
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