「仕事や恋愛に正解はない」なぜ個性や感性が大切なのか?【魂が燃えるビジネス】
―[魂が燃えるメモ/佐々木]―
いまの仕事楽しい?……ビジネスだけで成功しても不満が残る。自己啓発を延々と学ぶだけでは現実が変わらない。自分も満足して他人にも喜ばれる仕事をつくる「魂が燃えるビジネス」とは何か? そのヒントをつづる連載第21回
「お金を稼ぐにはどうしたらいいんですか?」
「恋人を作るにはどうしたらいいんですか?」
学業、仕事、金銭、恋愛、家族。あらゆる相談は「どうしたらいいのか?」という一言に集約します。しかし、残念ながら「こうすればいいですよ」と教えられる人間はどこにもいません。
というのも「こうすればいい」と誰かに言われても、たとえそれが有名な実業家や高名な研究家の言葉であっても、私たちは素直に従えないからです。誰もが経験している三日坊主がその証拠で、どんなに理屈が正しく、また効率的だとしても私たちはそれを実行できません。
人間にはそれぞれ個性や感性があり、それが否応なしに「できるか、できないか」を決めてしまいます。個性や感性を省いて、誰にでも当てはまる部分だけを取り出した自己実現法や成功法則は「目標を持ちましょう」「優先度の高い順に片付けましょう」といった一般論にしかなりません。
これが成功法則に嘘偽りがないにもかかわらず、そのままでは使いものにならない理由です。それは個々の人生に合わせて具体化される必要があります。持って生まれた感性、生い立ち、今の環境などすべてをひっくるめて「じゃあ、どうすればいいのか?」と考え、それに「こうしよう」と自分で発見した内容こそが私たちが求めている本来の答えです。
そうして見つかった答えは自然と他人にも利するものになっています。私たちの心には不思議な性質があります。自分の利益や「自分のため」を突き詰めると、ある瞬間にそれが裏返って、そこに他人がひょっこりと顔を出すのです。
この「自分と他人」あるいは「自分と社会」が結びつく接点こそが役割です。役割には大きく分けて2種類あります。それは「会社のなかでの役割」と「社会のなかでの役割」です。
会社での役割は、自分がすでに所属しているコミュニティで見つけられます。学校なら部長や生徒会長、会社なら新しいプロジェクトのリーダー、課長や部長といった誰もが知っている役職です。
これは非常にわかりやすく、その変化も迅速です。私が行なっているコーチングでも「ちょうどそういう仕事があるので引き受けてみます」という方がいて、彼はその役割を通して充実感と周囲への感謝を掴みました。
しかし、誰もがそうした道を歩いているわけではありません。世の中には、既存のコミュニティに馴染めない人間が一定数います。感性が重視されるアーティストがその典型です。
彼らの生み出す作品は常人にはできない発想で、私たちにインスピレーションを与えてくれます。彼らは時に社会不適合者の烙印を押されることもありますが、そんなことはなく「アーティスト」という役割を通して社会に参加しています。
誰もが知る既存の役割を担うのか、それとも自分にしかできない新しい役割を作り出すのか。二つの役割に優劣はありません。ただ人生の選択があるだけです。
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コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」。著書『人生を変えるマインドレコーディング』(扶桑社)が発売中
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