くすぶる人生を変えるには?「成功法則」の実現には情熱が欠かせない【魂が燃えるビジネス】
―[魂が燃えるメモ/佐々木]―
いまの仕事楽しい?……ビジネスだけで成功しても不満が残る。自己啓発を延々と学ぶだけでは現実が変わらない。自分も満足して他人にも喜ばれる仕事をつくる「魂が燃えるビジネス」とは何か? そのヒントをつづる連載第18回
「目標を紙に書けば必ず実現できる」
「ビジネスは人間関係が9割」
「億万長者は朝5時に起きる」
自己啓発書には「AをすればBになる」という方法論がたくさん紹介されています。その理論は一流企業のコンサルタントや一流大学の教授が考えたもので、どれも明快でわかりやすく、読んでいるときは「なるほど」と納得できます。
しかし、いざ実践してみると始める前の輝きはどこへ行ってしまったのか、「つまらない」「退屈」「こんなこと本当に意味あるのか」と疑いが頭をもたげてきます。そして、ほとんどの場合が三日坊主で終わってしまいます。
こうした事態が頻発するのはコンサルタントや大学教授が嘘をついているわけでも、自己啓発書が役に立たないわけでもありません。自己啓発で語られる内容は「成功法則」と呼ばれますが、法則はその名の通り一般化されています。だからこそ、自分の個性や境遇に合わせて具体化しなくてはなりません。
冷凍食品は保存も持ち運びもしやすくて便利です。しかし、そのままでは冷たいし硬くて食べられません。一度、電子レンジで解凍する必要があります。そうすれば温かく柔らかくなって食べられるようになります。この冷凍食品の冷たくて硬い状態が成功法則で、温かく柔らかくなった状態が成功例です。
では、そこまで加熱する電子レンジに相当するものは何でしょう? それこそが他ならぬ私たちの情熱です。自分はどう生きたいのか、何を追求したいのか、どんな風に社会に役立ちたいのか。その試行錯誤によって、一般化された成功法則は成功例として具体化します。
「◯◯をすれば儲かる」という話はどこにでもあります。しかし、本当にその◯◯をするだけではうまくいきません。「クリックするだけ」「単純作業だけ」「預けるだけ」といった文言が詐欺に繋がっていることを、私たちはもう知っています。
ここ十年はネットを使った副業やビジネスが流行りました。ブログが儲かる。メルマガが儲かる。ツイッターが儲かる。フェイスブックが儲かる。ユーチューバーが儲かる。オンラインサロンが儲かる。アマゾンマケプレが儲かる。
たとえばブログを選んだ場合、何文字くらいの長さで、どれくらいの頻度で書くのかといった内容ならば教えられるでしょう。研究を続ければ、大抵のブログに当てはまる妥当な水準が割り出せるからです。
しかし、そもそもどんなテーマについて書くのか。そこにどんなメッセージを込めるのか。またそれが将来の顧客となるであろう読者のニーズにどう繋げるのか。これらは主観から生まれるものであり、一般化できません。そして客観的に伝えられる内容よりも、ずっと大切なのです。
もちろん単に稼ぐだけなら、こんなに小難しく考える必要はありません。エロサイトを運営してアフィリエイトをすればよいでしょう。しかしよしんばそれで稼いだとしても、あまり幸せにはなれません。私の知人は「こんな誘導で出会いサイト系に登録する奴は馬鹿だ」と自分のお客を馬鹿にしていました。それで幸せになるのは難しいでしょう。
逆に情熱を持ってエロサイトを運営するならば、素晴らしいことだと私は思います。下半身ビジネスだからしょうもない、なんてことはありません。結局のところ大切なのはどんなビジネスを選ぶかではなく、選んだビジネスに情熱を注げるかどうかです。そうでなくては一般化された法則を具体化するまでには至りません。
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コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」。著書『人生を変えるマインドレコーディング』(扶桑社)が発売中
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