トランプ大統領の一般教書演説を読めばアメリカのリアルがわかる
―[江崎道朗のネットブリーフィング]―
【江崎道朗のネットブリーフィング 第32回】
トランプ大統領の誕生をいち早く予見していた気鋭の評論家が、日本を取り巻く世界情勢の「変動」を即座に見抜き世に問う!
トランプ大統領のスキャンダルばかりを報じるマスコミ
トランプ政権に関連した講演をすると、参加者からよく「トランプ大統領は大丈夫ですか?」と尋ねられる。あんなに暴言ばかりを吐く下品な大統領なので支持を失い、いずれ退陣するのではないかと思っている方が多いのだ。「いやいや、トランプ大統領のもとで景気を回復し、国民の支持も意外に高いですよ」と言うと、「ええ、そうなんですか」と大抵の方が驚かれる。要はトランプ政権の実情が伝わっていないのだ。
トランプ大統領は1月30日夜(日本時間31日午前)、米連邦議会の上下両院合同本会議で初の一般教書演説を行い、2018年の施政方針を明らかにした。一般教書演説というのは、政府としての年間方針を示すもっとも重要な演説だ。
なにしろ国際政治に大きな影響を与えるアメリカ大統領の年間方針だ。世界各国は懸命にこの演説を分析したはずだが、なんと日本のマスコミのなかで、この演説全文を邦訳して紹介したのは読売新聞だけであった。
同盟国の指導者の重要演説を詳しく分析するのは外交の基本だが、日本のマスコミの大半はその基本さえも理解していないわけだ。マスコミがこんな調子では、アメリカの動向や国際政治について日本国民が的確な判断を下せるわけがない。
とにかく今回の一般教書演説は、トランプ大統領の政治哲学を知るうえで極めて重要であった。
トランプ大統領はこの演説の冒頭で、アメリカを偉大な国にする力は政治家でも官僚でもない、アメリカ国民の勇気と献身だと指摘している。
《この1年、我々は途方もない進歩を遂げ、たぐいまれな成功を収めた。直面した試練には、予想していたものも、想像を超えたものもあった。勝利の高揚も苦難の痛みも共にした。洪水、火事、嵐を忍んだ。それらすべてを通じて、美しい米国の魂、はがねのように強い米国の勇気を目にした。
ボランティアのレスキュー部隊ケイジャン・ネイビーは、破滅的な被害をもたらしたハリケーン被災地に釣り船で駆けつけ、人々を救った。ラスベガスの銃乱射事件では、見知らぬ人同士が銃弾の雨からかばい合うのを目撃した》(2018年2月1日付読売新聞朝刊、以下同)
(えざき・みちお)1962年、東京都生まれ。九州大学文学部哲学科卒業後、石原慎太郎衆議院議員の政策担当秘書など、複数の国会議員政策スタッフを務め、安全保障やインテリジェンス、近現代史研究に従事。主な著書に『知りたくないではすまされない』(KADOKAWA)、『コミンテルンの謀略と日本の敗戦』『日本占領と「敗戦革命」の危機』『朝鮮戦争と日本・台湾「侵略」工作』『緒方竹虎と日本のインテリジェンス』(いずれもPHP新書)、『日本外務省はソ連の対米工作を知っていた』『インテリジェンスで読み解く 米中と経済安保』(いずれも扶桑社)ほか多数。公式サイト、ツイッター@ezakimichio
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