昭和、平成…元号は独自の文化・伝統をもつ独立国家のシンボルである
―[江崎道朗のネットブリーフィング]―
【江崎道朗のネットブリーフィング 第29回】
トランプ大統領の誕生をいち早く予見していた気鋭の評論家が、日本を取り巻く世界情勢の「変動」を即座に見抜き世に問う!
天皇の御代にあわせて元号を改める「一世一元の制」
政府も準備を始めたが、来年5月1日に皇太子殿下が即位されるに伴い、「平成」は新しい元号に改められることになる。明治、大正、昭和、平成と続いてきた元号が次はどうなるのか、暦に関係する手帳やカレンダーなどの関係者はやきもきしていると聞く。
皇位継承、つまり天皇の御代にあわせて元号を改める制度は「一世一元の制」と呼ばれる。
この制度が採用されたのは、ちょうど今から150年前のことだ。慶応4年を「明治」と改めた明治元年9月8日、明治天皇は「改元ノ詔書」を出され、一世一元の制を打ち出された。同日、その趣旨は「行政官布告」第一号によって全国に知らされた。
この一世一元の制が採用されたことで、元号は天皇の治世の象徴という意味合いが明確にされた。それまでは天皇が即位されたときだけでなく、瑞祥(おめでたいこと)の出現や、大震災といった天変地異の発生したときなどにも改元がなされてきたからだ。
昭和という元号は敗戦後も使われてきたが、昭和50年頃から「西暦に一本化し、元号はやめるべきだ」との意見が日本共産党などから出され、朝日新聞なども同調するようになった。この動きに反発し、「長い歴史をもつ元号をやめていいのか」と元号法制化を求める世論が高まる中で、その法的根拠を再確認すべく昭和54年(1979年)6月12日、元号法が制定された。
この元号法には「元号は皇位の継承があった場合に限り改める」と明記されており、一世一元の制を採用することが再確認された。憲法にも「国民統合の象徴」と明記されている天皇の御代にあわせて元号を改めることは、現行憲法の趣旨にも沿っていると考えたわけである。
日本は、中国の属国ではない
この皇紀は戦後ほとんど使われなくなったが、意外なところに残っている。例えば、1945年8月17日、独立を宣言したインドネシアの独立宣言文の日付は「17, 8, 05」となっている。この下二桁の「05」は、皇紀2605年(西暦1945年)を指している(写真は、首都ジャカルタの独立記念塔に展示されている独立宣言文)。当時、インドネシアの独立運動の指導者であったスカルノ初代大統領は戦時中、日本軍の協力を得て独立の準備を進めていたことから、皇紀を使ったのではないかと言われている。
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(えざき・みちお)1962年、東京都生まれ。九州大学文学部哲学科卒業後、石原慎太郎衆議院議員の政策担当秘書など、複数の国会議員政策スタッフを務め、安全保障やインテリジェンス、近現代史研究に従事。主な著書に『知りたくないではすまされない』(KADOKAWA)、『コミンテルンの謀略と日本の敗戦』『日本占領と「敗戦革命」の危機』『朝鮮戦争と日本・台湾「侵略」工作』『緒方竹虎と日本のインテリジェンス』(いずれもPHP新書)、『日本外務省はソ連の対米工作を知っていた』『インテリジェンスで読み解く 米中と経済安保』(いずれも扶桑社)ほか多数。公式サイト、ツイッター@ezakimichio
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