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ウーマン村本「今の芸人は、先輩の芸をなぞっただけの“量産型コピーロボット”」

 『THE MANZAI』や『朝まで生テレビ』での果敢な試みが、もっとも反響を呼んだのは沖縄だったという。だが、村本は基地賛成派でも反対派でもない。当事者の「声なき声」に耳を傾け、拡声器の役目を担おうとしているのだ。 「上杉(隆)さんもそうですが(笑)、レッテルを貼られがちな人と話したい。沖縄の基地問題にしても、賛成派にも反対派にもいろいろな人がいて、複雑なグラデーションがあるのに、東京からたった1時間半で行ける沖縄に足も運ばず、指1本動かしてスマホで得た情報で『反対派はカネで雇われたプロ市民だ』とレッテルを貼る……。そんな人には、辺野古で思いを語ってる人を否定する権利なんてないと思うんです。こんなこと言うと、ネトウヨが騒ぐだろうし、実際、彼らの顔色を気にする言論人もいるけど、僕は一切相手にしない。あれは、家の外の風音みたいなものですよ。ネタを書き続けていれば、風がうるさい日も静かな日もある。あ、でも、朝生から1週間くらいは、酒を飲んだときに風と戯れまくってましたが(笑)」  原発や安全保障の問題を漫才のネタにしたことで、賛否両論を呼んだ村本だが、少なくとも彼には語る資格がある。 「僕は原発のある福井県おおい町の出身で、弟は自衛隊員なので、“社会問題のサラブレッド”のようなもの(笑)。ただ、こう自称しているのは後付けで、問題の存在を知って応援したくなった。もともと、ひねくれ者なので(苦笑)、相手にされない人の気持ちはよくわかるんです」  一般人も巻き込む議論を喚起するため、確信犯的に一石を投じたのは、村本がひねくれ者だったから……だけではなさそうだ。 「僕が生まれた町は、高校、大学を出て、就職後に実家を継ぐのが当たり前で、『芸人になりたい』なんて言うと、『才能のある一部の人がなるもの』『バカを言うな!』と街中から大批判される(苦笑)。僕は好きなことをやりたくて芸人になったし、ほかの芸人も似たような考えなのだろう、と思ってました。ところが、いざ芸人になると、『芸人が〇〇をするな!』とすごく言われる……。僕は個人として生きていて、グループに属した覚えはないのに、『芸人』や『芸能人』というレッテルで一括りにして、そこの“ルール”を守れと言うんです。大いに疑問だし、強烈な反発もあります」  いつしかこの国では、ワイドショーに芸人がコメンテーターとして登場し、政治などの時事問題をしたり顔で論じるようになった。その一方で、自らの本業であるお笑いでは、政治ネタを決して扱わない。筆者には、今のお笑いは同質化しているように見える。 「例えばアニメなら、僕は『ワンピース』の面白さはわかるけど、深夜アニメはわからない……。ただ、わからないものがあっていいし、多様性があるほうがいい。でも、日本の笑いはそうなってないんですよ。だから、『今の芸人は、ネタもトークも、先輩がやってきたことをなぞってるだけの“量産型コピーロボット”』『この会社はその“製造工場”か!』って言ったら、『お前、組織やぞ』『イヤなら出て行け!』って先輩に怒られて……僕は自分でネタつくってメシ食うために、たまたまこの会社に入っただけなのに、誰かが“枠”に閉じ込めようとする。僕が政治ネタをやるのも、売れるための作戦とかじゃなく、常に自分に従ってるだけなんですよ」
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多くの芸人がテレビに擦り寄るような風潮に異を唱える
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