雑学

京大の“立て看板”は景観のジャマか?強制撤去騒動をOB・細野豪志が語る

5月13日に立て看板が撤去されるまえの様子

 学生たちが作る「個性的な看板」は古都の景観を乱すのか? 京都大学が5月13日に京大キャンパス周辺の立て看板(以下、タテカン)を撤去したことが注目されている。これに対抗すべく、学生たちはすぐに新たなタテカンを設置。だが、京大は18日に再撤去。それにまた学生たちが抵抗して……と、撤去、設置を繰り返すバトルが展開されている。

 名物のタテカンが強制撤去されたとの報に接し、OBは母校の騒動に何を思うのだろう。法学部卒で衆議院議員の細野豪志氏は撤去を残念がる。

細野豪志氏

「京大に入学し、立て看板を見たとき、こういうのが大学なんだなと感じたことを覚えています。大学はあらゆるものが自由で、そのなかで何を学ぶか自分で選ぶという、自由と自己責任の世界に入ったんだなという印象が強くありました。立て看板は私にとって京大の定着した景色ですから、あっさり撤去されるのは寂しい気がします」

 細野氏の学生時代、立て看板は京都市と京大の接点であり、京大生の多様性を、京都市民は寛容に受け止めてくれていたという。

「立て看板には押しつけがましさも含めて、ほとばしるエネルギーを感じます。あれを見ることで、同じ大学にこんなことをやっているヤツがいるのか、という発見があり、大学に行けばなにか面白いことがありそうだと思わせたんです。『強きものよし、弱きものさらによし。相撲部』というフレーズは今でも覚えています。現代はSNSでの情報発信が盛んですが、立て看板の機能をSNSで代替することはできないでしょう」

 時代は移り、京大からのタテカンでの情報発信を寛容に抱きとめてくれた京都市はもうない。

「京都タワーや京都駅ビルがいい例ですが、京都市は街としての機能と景観との折り合いを昔からつけてきたわけでしょう。京都には古都としての面だけでなく、文教都市としての面もある。京大の問題も、都市の多様性の一環として見ればいいのでは。タテカンがお寺の雰囲気を害するということなら理解できますけど、吉田キャンパスはそうではないですから」

 京都の寺社仏閣巡りが好きだという細野氏は、寺社の近隣にベタベタ貼られた政治家のポスターこそ、場違いではないかと笑った。

【細野豪志氏】
衆議院議員。京大法卒後、シンクタンク勤務を経て’00年の総選挙で初当選し7期目。環境大臣、原発事故担当大臣などを歴任。希望の党と袂を分かち、現在は無所属

取材・文・撮影/野中ツトム(清談社)
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