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真夏の「東京湾アクアライン大渋滞」の現実的な解決策。これなら森田健作知事も納得!?

アクアラインの料金値上げは無理だから海ほたるPAを一部有料化

 休日のアクアラインの料金を値上げするのが、最も手っ取り早いが、それには、割引の音頭を取ってきた千葉県の激しい抵抗が予想される。なにしろアクアラインの割引は、地元の経済振興が目的。休日の料金を値上げして観光客が減ったら、文字通りの逆行になる。割引の原資の半額、年間10億円を負担している千葉県が応ずるとは思えず、現実的ではない。  そこで私が提案するのは、「休日の海ほたるPAの一部有料化」である。

休日はアクアラインだけでなく海ほたるPAも大混雑

 アクアライン上り渋滞の先頭は、海ほたるPA付近だ。かつては浮島JCT手前の上り坂が先頭だったが、5年前、NEXCO東日本が、LEDランプの光を移動させて速度回復を促す「ペースメーカーライト」を設置して以来激減し、現在は海ほたるPA付近が先頭となっている。  休日の夕方、海ほたるPAへの入場待ちの列が本線上に並ぶこともあり、世界唯一の海上PAである海ほたるPAの魅力が、渋滞を招いている面もある。そこで、休日に限り、海ほたるの滞在時間を1時間程度に規制し、それ以上停める場合は、駐車料金を徴収するのである。

海ほたるPAの魅力が渋滞を招いているのは仕方ないが……

 これによって、トイレなどの短時間利用客にはしわ寄せは及ばず、海ほたるが目的地のクルマだけを、ある程度減らすことが可能。海ほたるPAは場内でUターンが可能なため、ここで集合して乗り合わせ、長時間クルマを止める客もいる。そういったクルマを排除することで、PAの満車防止対策にもなるはずだ。

海ほたるPA手前と出口に料金所ブースを2個並べることは可能

 具体的には、駐車場手前と出口に、ETC専用とETC・一般車共用の料金所ブースを設け、ETCは入場・退出時間を自動記録。一般車には駐車券を発行し、出口で精算する形が取れる。千葉県としては、海ほたるでUターンする客は、それほど優遇する必要はないわけで、これならアクアライン800円化に尽力してきた森田健作千葉県知事も、納得するのではないだろうか。 取材・文・写真/清水草一
1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中
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