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引きこもりの末に高校浪人…「be動詞」も知らなかった男が東大に合格できた勉強法

 2浪の末に東大に合格、入学後には数多くの東大生との交流を重ね、その行動パターンを徹底的に分析。その膨大なデータをもとに編み出した『東大式習慣』を刊行した西岡壱誠氏が「東大生たちの知られざる習慣」を紹介。今回は、引きこもりの果てに「be動詞」も「筆算」もできないというドン底状態に陥るも、そこから這い上がり、見事に東大合格にまで至った男の奇跡の物語! 「僕は中学時代、引きこもりでした」  そう語るのは、東京大学文科3類2年生の小川護央さん。「具体的に言うと、中1の夏休みに入る前から卒業するまでほとんど学校には行っていません」。そんな彼が、どうして東大に行くことができたのか? どうやって引きこもった3年間のビハインドを乗り越えたのか? 今回は、そんな彼の習慣をご紹介したいと思います。
小川護央さん

小川護央さん

引きこもりで、勉強がまったくできない彼がやったこと

 青森県の3000人に満たない村の生まれの彼は中学時代、さまざまな経験から引きこもってしまうようになりました。いじめや親友の裏切り、部活での怪我……、いろいろな苦い経験の末に、自分というものが見えなくなってしまい、引きこもりになってしまったのだそうです。 「太陽の光が怖くてしょうがないんです。だから、押入れに引きこもって、ずっと暗いところにいました。勉強なんて、とてもじゃないけど、する気になれませんでした」  当然、高校受験をする余裕もなく、1年間高校浪人をすることに。でも、3年間まったく勉強に触れていなかった彼は、be動詞すらわからず、筆算すらままならない状態だったと振り返ります。 「一番びっくりしたのは、文章が全然読めなくなっていたことでした。小学校時代、あさのあつこの『バッテリー』が好きで読んでいたんですが、中学卒業時点では一行目からまったく読めなくなっていました」  そんな彼が実践した習慣が、「戻れるところまで戻る」というものでした。「できなくなってしまったものは仕方ないし、認めるしかない。その上で、初歩の初歩まで立ち返って、もう一度イチからやり直す」というやり方です。  具体的には、小説が読めなかった彼は幼稚園の絵本から読み返し始めたと言います。数学も小学校のドリルを、英語も中学1年生の英語から丁寧に、丁寧に勉強していったのだそうです。その甲斐もあって、高校に無事入学。しかし、志望していた高校には届かず、入学したのは東大輩出者ゼロの高校だったそうです。 「正直、あの時点では勉強なんて諦めていました。自分は、今後、勉強でやってくことはないだろうな、と」

「戻れるところまで戻る」で開いた世界

勉強 そんな彼が、どうして東大を目指すようになったのかというと、これも先ほどの習慣が絡んでいます。中学英語を1年生の分から3年生の分まで本気でやった彼は、あることに気が付いたんです。 「あれ? 高校の英語って、意外と中学英語と同じじゃん」  実はほかの科目とは違い、英語は中学の勉強と高校の勉強が地続きになっています。中学の内容ができていると高校の内容がわかるように設計されており、逆に中学英語がわかっていないと高校英語もできないんです。彼のほかにも「高校の英語をやっているときに躓いたけど、中学英語を復習したらできるようになった」と語る東大の学生は1人や2人ではありません。 「これなら、意外と高校英語できるんじゃないか?」  そう考えて勉強してみると、英語の成績がぐんぐん上がり、高校1年生の模試で意外といい結果が取れたのだそうです。 「そのときに覚悟を決めたんです。『今までの人生で何も達成できなかった自分だけど、これからは勉強で勝負しよう』って。同じように引きこもりの子に勇気を与えるために、そしてこんな自分を入学させてくれた母校に恩返しするために、てっぺんの大学を目指してみようと決めたんです」  そうして本気で勉強し始めた彼ですが、持ち前の「戻れるところまで戻る」という勉強習慣でどんどん成績を伸ばすことに成功。わからなかったら根本に立ち返る。できないことはできないと割り切って、どんなに恥ずかしくても「できない」の根本まで戻ってみる。そんな勉強の仕方をすることで、成績を伸ばすことに成功し、1浪の末、無事東大に合格することができたのだそうです。
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「戻れるところまで戻る」は何にでも使える習慣
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