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「安倍内閣を倒す方法」を枝野立憲民主党代表に教えたい<倉山満>

― 連載「倉山満の言論ストロングスタイル」―

言論ストロング

7月31日、国会内で記者会見をする立憲民主党の枝野幸男代表。「野党第1党として、あの一騎打ち構造をつくることに汗をかく責任がある」と述べた(写真/時事通信社)

枝野立憲民主党代表にわかりやすく教える「安倍内閣を倒す方法」


 本気で安倍内閣を倒したいなら、妄想ではなく現実を見て作戦を立てるべきだ。サヨク諸君は口では安倍晋三を倒せと叫びながら、本気で行動しているとは思えない。

 そこで、今回は野党第一党党首である枝野幸男立憲民主党代表に話すつもりで、「安倍内閣を倒す方法」を開陳したい。

 まず正すべきは、「小泉進次郎を抱き込めば、安倍3選を阻止できる」という妄想である。

 そもそも、自民党総裁はどのようにして決まるのか。自民党国会議員の投票で決まる。地方票というのもあるが、これは国会議員が票集めをするので、事実上は何人の国会議員を自分に投票させられるかで総裁が決まる。総裁になれば、自民党が与党でいる限り、日本の最高権力者である総理大臣になれる。だから、総理大臣を目指す自民党議員は、派閥をつくる。

 安倍内閣では、安倍首相の出身母体である細田派に、麻生派と二階派が主流派である。この3派に無派閥安倍系議員を加えれば、過半数を占める。さらに岸田派が加わり、5大派閥中4大派閥が安倍首相を支持している。既に安倍3選は決まっているのだ。この状況で、小泉進次郎氏が何をしようというのか。

 むしろ注目すべきは、参議院竹下派の動向だ。いまだに竹下派と参議院に影響力を持つ青木幹雄元官房長官が石破支持を参議院竹下派に命じ、吉田博美参議院自民党幹事長が応じたとされる。青木氏は息子の一彦議員の選挙で一方ならぬ世話になった石破氏に借りを返そうとしていると伝わる。また、いまさら安倍支持をしても、竹下派が麻生太郎副総理兼財務大臣や二階俊博幹事長を押しのけて主流派として厚遇されるとは考えにくい。むしろ他派閥すべてが安倍支持の中で石破氏を善戦させれば、参議院竹下派の存在感が上がる。

 既に政治のプロたちは、来年夏の参議院選挙を見据えて行動しているのだ。

 さて、本題である。安倍内閣の弱点は、どこか。

 安倍首相は総裁選後に予定される秋の臨時国会で、憲法改正を提示するという。安倍自民党改憲案については、本連載で再三再四、批判してきた。とうてい、国民の理解など得られないような代物だ。

 もし本気で安倍内閣が改憲案を持ち出すなら、立憲民主党は福山哲郎幹事長が先頭に立って、堂々と論陣を張ればよい。

「今のままでも自衛隊が国を守れるならば、なぜ9条改正の必要があるのか」「そんなに教育無償化をしたいなら予算を増やせばよい。憲法の条文はできもしない理想を書き込めばよいというものではない」など。

 今年の5月3日のNHK憲法討論で、福山氏ら野党代表は自民党の細田博之憲法調査会長ら与党代表を議論で圧倒していた。日頃は護憲派の議論に懐疑的な私から見ても、今の自民党改憲案ならば護憲派のほうに理がある。国民の声を信じて堂々と所信を訴えればよい。仮に臨時国会で数の力で負けて発議されても、憲法改正は国民投票で決まるのだから。

 もし憲法改正を国民投票にかけるとしよう。来年は4月に統一地方選挙、7月に参議院選挙がある。そして10月に消費増税10%を予定している。冷静に考えてみよ。安倍内閣の狂信的な支持者の言う通りにしたら、選挙の年に9条改正と消費増税を訴えることになるのだ。殺してくれと言わんばかりの態度ではないか。

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野党は国民を敵に回さなければ、勝てる

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