インバウンドに沸く沖縄で大失敗。1年でつぶれた飲食店の誤算
2018年も上昇傾向のインバウンド市場。東京、大阪の繁華街では3歩歩けば外国人に当たるという現状の中、「インバウンド効果の口車に乗せられて、わずか1年で閉店に追い込まれました」と嘆く男がいる。佐藤正孝さん(仮名・35歳)は東京で飲食店を営んでいたが、2年前に沖縄で事業プロデュースのために参加した。
「元々、飲食のプロデュースも行っていて、都内では自分の店も含めてわりと上手くいっているほうでした。事業計画を送ってきたのは都内でも大手の飲食事業企画会社。インバウンド効果真っ只中の沖縄で、ダイニングバーをプロデュースしてほしいと頼まれたんです。店のコンセプトは可愛い女性スタッフを集めた大型ダイニングバー。女性スタッフには露出の高いコスチュームを着せて店内では音楽をガンガン流す、外国人観光客が好きそうなコンセプトでしたね」
日本にはまだ少ないアメリカンタイプのレストランが、観光客のみならず地元民にもマッチすると思ったと佐藤さんは言う。受諾した佐藤さんはすぐに沖縄に飛び、物件探しから店の内装デザインを行った。
「最初の難題は求人でした。驚くほどスタッフが集まらないんです。現在の那覇は新規飲食店ラッシュ。ただでさえ働き手が少ないのにそれ以上に店ができていますから、時給の良いところにしかアルバイトが来ないんです。そんな状況に加えて、うちの店が求める人材は可愛い女子スタッフ。時給1100円にまで上げてやっと集まったのは、最近まで高校生だった垢抜けないコ達ばかりでした……」
さらに、沖縄独特の風習が佐藤さんを苦しめた。
「国際通りの真ん中という好立地にオープンしたのにもかかわらず、オープンして一か月はまったく客が来ませんでした。周辺の飲食店オーナーからは『沖縄は美味しくないと流行らないからね(笑)』など、散々嫌味を言われました。なのに家賃50万円もする店舗を借りてしまったので、ガイドブックからインスタページの開設、地元のラジオ出演まで、できることは何でもやりました。食材は良いものを使ってるので値が張るのは仕方ないのに、地元民からは高いと文句を言われたこともあります。
沖縄ではいかに安く長く飲めるかが重要なので、1000円台で飲めるなら料理関係なくそっちに行きますね。その中でわざわざ一品1000円近くする料理なんて食べに来ませんよ。内装は凝っていたので流行り好きの若い女性客や地元のOL客にも期待したんですが、店のコンセプトが可愛い女子スタッフなので、来ても初回のみでリピーターには繋がりませんでした。初めに期待していた外国人観光客は沖縄らしい牧志公設市場や沖縄民謡居酒屋に行くので、わざわざダイニングバーには来ませんでしたね……」
沖縄は出店ラッシュでバイトが採れない!
外国人客は沖縄民謡酒場のほうが好きだった
1
2
【関連キーワードから記事を探す】
外国人観光客の行列が絶えない一蘭。“簡単に入れない店舗”が増えても「日本人ファンが離れない」ワケ
日本の“トイレ”で外国人観光客が感動。お土産に“便座”を爆買い「日本のトイレは、もはや文化だった」
「観光ビザでも仕事はある」日本で違法に仕事をあっせんする中国人解体業者。現場の近隣住民からは怒りの声
「あなたと暮らす自信がなくなりました」“結婚1年目の旅行”で妻から離婚を切り出された理由
料金を値切ることもしばしば…“横暴な外国人観光客”に苦しむタクシードライバーの嘆き「できれば日本人に乗ってほしい…」
10年後、倒産する可能性が高い3つの業界。一見きらびやかな業界にもリスクあり
「ウチの会社、法を犯してます」ブラック企業でも倒産しないカラクリをプロが明かす
「外資はクリーン、なんて幻想でした…」組織的なセクハラが横行、倒産リスクはあるのかプロが診断
「ワンマン経営で老害上司だらけ」の会社は絶対潰れる!? プロが警告する理由
「業界ごと沈んでるのに、上はノルマを課すだけ…」そんな会社に見切りをつけるべき?
「まるで宴会」飛行機内で騒がしい“中国人の団体客”が、“急に静かになった”意外すぎる理由
電車の優先席を独占し、宴会をはじめた中国人観光客…「ここは日本だぞ」乗りあわせた“ギャル2人組”が追い払うまでの顛末
キャリーケースで通路を占拠、非常ボタン誤作動に改札トラブル…関空で働く男性が明かす“迷惑観光客”の実態
「あっち座れば?」新幹線で“自分の指定席”に知らない外国人が…車掌の確認で判明した“衝撃の事実”
日本の“トイレ”で外国人観光客が感動。お土産に“便座”を爆買い「日本のトイレは、もはや文化だった」
アラサー女性が大学生のプール監視員と交際したら、衝撃の結末に…――夏の恋愛トップ5
海で水着からポロっと。意中の相手とジェットスキー中に悲劇が襲う――夏の恋愛トップ5
花火デートで浴衣を着て大失敗。背中から出てきたものにゾクリ――夏の恋愛トップ5
海にビキニでイケメン漁りに行った女子大生の顛末、Fカップの胸が…――夏の恋愛トップ5
夜の女の泥酔事件簿…太客に「キモイ」と言ってしまった
副業にことごとく失敗、損失は数百万円に…追い詰められた元営業マンが「一発逆転」して沖縄に移住できたワケ
有名MVにも登場。沖縄の人気ハンバーガーチェーン「巨大看板リニューアル」まさかの大反響の顛末
六本木の「バーレスク東京」が沖縄に進出。“プレイングマネージャー”に聞く、経緯と展望
沖縄県で“若者の大麻汚染”が拡大中「高校生の取り分は大麻1gあたり2000円」
「沖縄 vs アジアリゾート」どっちが得? 予算7万円以内のベストな場所を、旅のプロが選んだ
この記者は、他にもこんな記事を書いています