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入居者の病死で“事故物件サイト”に乗せられ大迷惑…アパート大家の嘆き

「家賃を下げないと、入居者が付かないかもしれません」

 ネットに所有アパートが事故物件として掲載されているという事実を確認した瀬川さんは途方に暮れた。 「たまったもんじゃないですよ、ウチが事故物件だなんて。だれの情報なのかわかりませんが、あの部屋で起きたのは殺人事件や自殺等ではなく病死です。病死なんて、どこにでもあるでしょう。管理会社の人間からは、他よりも貸し賃を下げないと入居希望者が現れないかもしれないと言われました。こんなことがあっていいんでしょうか……」  瀬川さんは即刻、サイト側に異議申し立てと掲載情報の削除申請を行ったが、いまだに音沙汰はないという。サイトには、「誤った情報以外削除はしない」と明記されていた。 「どうにかサイトの主と連絡をとろうにも、なんのレスポンスもないんです。しかもそのサイトは、事故物件であるという書き込みを誰でも投稿ができるシステムらしいんです。そんなネットの匿名掲示板のようなサイトのせいで、こんなにも被害を受けなきゃならないなんて悔しくてたまりません」  今でも、その部屋に入居者はいない——。 自殺 たしかに、部屋で人が死んでしまったことは事実だ。しかし、単独世帯が増えていると言われる昨今、高齢者の孤独死や人知れず自室で病死してしまうケースも増えていくはずだ。そんな中、一度でも“事故物件”という情報が拡散されてしまえば、そのイメージを払拭することは難しいのかもしれない。とはいえ、瀬川さんは今後もサイト側への削除申請を続けていく所存だという。  ネットやテレビ番組でも事故物件が注目を集めるようになって久しいが、その裏には大家側の悩みもあるということだ。<取材・文/小畑マト>
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