仕事

かっこ悪い営業マンが教えてくれた「恥をかくことの大切さ」

いつまでも恥をかくという気持ちを心に

内野彩華

内野彩華

 Aくんに出会ってからというもの、私はどんな知らない歌でもお客様に「歌って」と言われたら、知らなくても、下手くそでも、音程がはずれても、しれっと自信満々に大熱唱すると決めました。  それを見て、何も語らずただただドン引きする人もいれば、「飲み屋の経営者で、わざわざいまさら恥かく必要もないのに、よくそういうことをするよね」と驚く人もいます。「もういい加減いい歳なんだから恥ずかしいことやめなさいよ」とたしなめてくる人もいました。  でも、そんなの全然構わなかったのです。だって「何のために」それをするかというと、それは「恥をかくこと自体」が目的だったからです。  さすがに今となっては、キャバ嬢が育ち、私がいつまでもバカなことをして悪目立ちしていたら、店のキャバ嬢が営業する機会を失ってしまいます。それに、キャバ嬢の付け回しをする黒服にも迷惑をかけ、ひたすら店にとって営業妨害でしかないので、店ではもうやらないことに決めました。  そもそも、そういう機会すらすでになくなってしまいましたが、それでもいつまでもそういう気持ちだけは持っていようと思っています。  それは私が、今でもAくんの「気概」が大好きで、勢いがなくなって安定してしまいそうな今の私でも、「初心」を忘れたらいけないという「危機感」がいつも私の心の中にあるからだと思います。 <TEXT/内野彩華>新宿歌舞伎町キャバクラ「アップスグループ」オーナー。株式会社アップス代表取締役社長。津田塾大学卒業。25歳のとき、当時勤めていた外資系IT企業をやめて、歌舞伎町にキャバクラを開業。現在、歌舞伎町にキャバクラを4店舗、銀座にクラブを2店舗展開するまでに。キャバ嬢の育成やキャバクラの立ち上げ、経営改善のコンサルティングなども行い、グループ年商は10億円にもおよぶ
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