定年後のバイトすら危うい…サラリーマン人生の終活「最悪シナリオ」
仮に再雇用で働いても、会社で厄介者扱いされる可能性は非常に高い。では、転職ならば……と思っても、「大手企業に勤めていた人でも、50代以上の転職はかなり厳しい」と続けるのは、人材育成企業の代表を務める前川孝雄氏。
「同じ会社に長年勤めた人ほど、“一生会社に面倒見てもらえる”という感覚が強いので、危機感が薄い。しかし、いかに過去に活躍した人や、社内で要職を経た人でも、退職すれば、会社は助けてくれません。そうした事情をきちんと理解せず、社外での自分の価値を見誤ったまま転職に臨もうとするので、失敗するんです」
肩書や過去の経歴は通用しない。50歳以降は、まさに人生における「第二のサバイバル期」。最終手段としてアルバイトという選択肢もあるが、その先行きも明るくない。
「現在はサービス業を中心に人材不足で、国も海外からの技能実習生などを増やして労働力を補おうとしています。今はまだ日本人が有利かもしれませんが、10年もすれば、来日してくる外国人もキャリアアップしているはず。
現状でも母国語のほかに日本語が話せ、コンビニや飲食店の複雑なオペレーションにも対応。しかも、若くてバイタリティもある。高齢者がアルバイトをしようにも、日本に適応しつつある優秀な外国人との戦いになるので、かなり狭き門だと心得るべきです」(前川氏)
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(1)再雇用枠は飽和状態
高齢者雇用安定法改正から7年が経過するも企業はいまだに60歳以上の労働力の有効活用法を見いだせていない。現役時代よりも大幅な給料減は免れず、重要な仕事を任されないため、心が折れ、退職に至る事例も多い
(2)年金はより不透明に
継続雇用年齢の70歳までの引き上げが、政府によって検討される一方で、危ぶまれるのが年金支給開始年齢の引き上げ。現在の65歳から68歳へ、そしていずれは70歳へと、さらに引き上げられる日もそう遠くはない
(3)アルバイトすら競争激化
介護医療や飲食サービス業などを中心に発生する人手不足の対策として、外国人技能実習制度が開始。年月とともに外国人労働者の質が上がっていくため、優秀な競争相手の登場で高齢者のアルバイト参入はより困難に
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再雇用や転職だけでなく、アルバイトすらも危うい。そんな事態を回避するため、前川氏が提案するのが「40歳を過ぎたら定年後の準備をする」ことだ。
会社員人生の「終盤戦」で待ち受ける不都合なシナリオ
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