酒好きなら知っているウォッカとジンの違い。白樺の炭で濾過、ボタニカルで香りづけ…
― 30代が知らないと恥ずかしい! 今さら聞けないお酒のキホン第43回 ―
ジンとウォッカの両方を飲んだことがあれば、全然違うお酒だとはわかります。しかし、どちらも、大麦、小麦、ライ麦、ジャガイモ、トウモロコシといった穀物を原料とする蒸留酒です。どちらも連続式蒸留器を使って蒸留しています。その違いはどこにあるのでしょうか?
ウォッカはロシアや北欧など寒いところで作られています。穀物を糖化・発酵・蒸留した原酒を、白樺の炭で濾過(ろか)します。そのため、無色透明のクリアな味わいのお酒になります。アルコール度数を高めやすく、世界最高度数を誇る96度の「スピリタス」もウォッカです。
「スミノフ」や「ギルビー」といった銘柄はコンビニエンスストアでも販売していますね。その他には「アブソルート」「スカイ」といったウォッカも売れています。
刺激的な味で人気のジンジャーエールを作っている「ウィルキンソン」もウォッカを出しています。ちなみに、「ウィルキンソン」を作っているのはアサヒ飲料株式会社です。「奥飛騨 ウォッカ」もユニークです。日本らしく米を原料にしたウォッカで、もちろん白樺の炭で濾過しています。
ウォッカにハーブや香辛料、フルーツなどを漬け込み、味や香りを追加したものをフレーバードウォッカと呼びます。有名どころでは、バイソングラスを入れた「ズブロッカ」があります。桜餅の香りがして、最高に美味しいお酒の1つです。
ジンは蒸留酒にジュニパーベリーの香りを付けたお酒です。ジュニパーベリーとはヒノキ科セイヨウネズの果実を乾燥させた香辛料のことです。ベースとなる蒸留酒にジュニパーベリーなどのボタニカルを入れて再蒸留します。蒸留酒の原料に決まりはなく、他のハーブを使うことも可能で、自由度が高いのが特徴です。
ウォッカと同じく「スミノフ」「ギルビー」「ウィルキンソン」もジンを出しています。バーでよく見かけるのは「タンカレー」「ビフィーター」「ゴードン」「ボンベイ」といった銘柄です。
日本初のジン専門蒸留所である「京都蒸留所」では、「季の美」というジンが作られています。米由来のスピリッツに、玉露やゆず、山椒といった素材を使っています。また、2~3年前から、日本で小規模の蒸留所が次々とオープンし、多数のジンが発売されています。この小規模生産されているジンのことをクラフトジンと呼ぶこともあり、ブームになっています。
ジンもウォッカも古くからあるお酒なので、伝統的なカクテルの材料としてもたくさん採用されています。ジンはマティーニやジントニックが有名です。ウォッカではスクリュードライバーやバラライカ、ソルティードッグなどが飲まれています。冷凍庫に入れて、とろとろに冷やしてストレートで飲むのも最高です。
ジントニックやウォッカトニックは食中酒としてもオススメです。デザート代わりにカクテルを頼み、その後は冷やしたジン・ウォッカをストレートで楽しむといったフルコースはいかがでしょうか。味がクリアでクイクイ飲めてしまうので、酔いすぎないように注意してください。お酒を毎晩飲むため、20年前にIT・ビジネスライターとしてデビュー。酒好きが高じて、2011年に原価BARをオープン。2021年3月には、原価BAR三田本店をオープンした。新型コロナウイルス影響を補填すべく、原価BARオンライン「リカーライブラリー」をスタート。YouTubeチャンネルも開設し生き残りに挑んでいる
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