雑学

孤独死した部屋の大半はゴミ屋敷…その独特なニオイとは?

 誰にも看取られず、一人で亡くなる孤独死者数は年間約3万人。そんな社会現象に付随する形で、急激に需要を増やしているのが、死者の部屋の後始末を行う特殊清掃業者である。孤独死が起きた部屋は、遺体の腐敗状況にもよるが、ひどいケースになると、部屋には無数の蝿、蛆が群がり、ドロドロに溶けた黒い体液と肉片が人型の模様を描いて床に付着。<やや甘ったるい、油のような、臭いのする>その液体は、床下にまで侵食することも珍しくない。

若い男性の孤独死現場。離職やパワハラをきっかけにした30代、40代の孤独死も少なくない(画像提供/トータルライフサービス・高橋大輔)

孤独死の大半がセルフネグレクト


 凄まじい臭気が充満する中、黙々と部屋の中のゴミを撤去し、様々な薬品を駆使して臭いを取り去る特殊清掃業者たち。その現場に密着し、孤立化が進む現代日本の問題点を炙り出したのが、ルポライターの菅野久美子氏が上梓した新刊『超孤独死社会 特殊清掃の現場をたどる』(毎日新聞出版)だ。

<孤独死の現場は、遺族ですら立ち会えないほど過酷である。大量の蝿が飛び交い、蛆虫が這いずり回り、肉片が床にこびりついている。故人が苦しみのあまり壁や床をかきむしり、脱糞した形跡があったりもする。>

 孤独死の現場について端的にそう書き表したうえで、著者は<そうしたグロテスクな表層は真の問題ではない>ことを、孤独死した故人の、生前の人となりや生活を深く探っていくことで気づいていく。故人の多くが、ゴミを溜め込んだり、必要な食事を摂らなかったり、医療を拒否する“セルフネグレクト”の状態にあること。そしてそれが、1000万人近くいると著者が推計する“孤立化”と切っても切り離せない問題だというのだ。

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精神が病むと水回りが汚れてくる

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超孤独死社会 特殊清掃の現場をたどる

死ぬ時は、誰もが一人。日本では、孤立状態1000万人、年間孤独死3万人。救済の手立てはあるのか?気鋭のノンフィクションライターが、知られざる最後の“後始末”の実態に迫る。





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