仕事

出世できなかった40代の会社員が今すべきこと/江上剛×大江英樹

「貯金」より「貯人」のほうが財産になる

――今後に向けて、40代以上が今しておくべきことはありますか? 江上:まずは「貯金」より「貯人」。つまり、人との繋がりをつくること。どんな優れた能力の持ち主も、他人が認めて、それを生かす場を与えられない限りは、役に立ちません。だからこそ、自分の能力を評価してくれる可能性のある人に出会うことが大切です。 大江:それも、メールや電話じゃなく、リアルで出会うべきです。じゃないと人の心は動きません。アフィリエイトや転売など、時間を切り売りする副業をするくらいなら、ボランティアや仕事以外の会合に出るほうがよほどいい。 江上:確かに無償でも人と関わる時間を増やすほうが、長い目で見れば価値がありますよね。 大江:でも、いかにリアルだからといっても、ビジネス交流会のようなものは、行かないほうがいい。ビジネスはギブ&テイクで成り立ちますが、交流会はテイクしたい人だけの集まりなので、いい関係はつくれませんからね。私自身は、最初はなんでもギブファーストでいくべきだと思います。 大江英樹氏江上:無料でもいいから、頼まれたことはできる限り対応すると、後から仕事に発展しますからね。 大江:あとは、「一生働き続ける」という気持ちを持ってほしいですね。「老後不安」をなくす最善の方法は「老後をなくすこと」。そもそも「老後」は戦後以降の考えで、かつては仕事を引退しても、何らかの社会活動に携わる人ばかりだったそうです。これからの時代に生きる中高年もそれに倣えばいいんですよね。 江上:今は人生100年時代ですから、40~50代はまだ折り返し地点。定年後も働き続ける可能性があるからこそ、自分が一生続けられる仕事を見つけてほしいです。やり方次第では、会社員時代はパッとしなかった人が、一発逆転することだってあるんですから。

人生が豊かになる賢者の「会社員終活術」

・会社員生活への未練や感傷は早いうちに「成仏」させる ・目先の金銭よりも「人間関係の構築」に時間や手間をかける ・「一生働き続ける」を前提に仕事内容や営業方法を考える 【江上剛氏】 ’54年生まれ。作家。’02年に銀行在籍中に経済小説『非情銀行』でデビュー。コメンテーターとしても活躍する。近著に『会社人生、五十路の壁 サラリーマンの分岐点』や『一緒にお墓に入ろう』 【大江英樹氏】 ’52年生まれ。経済コラムニスト。大手証券会社で個人運用や企業年金に携わり、定年後に独立。年間140回以上の講演を行う。近著に『「定年後」の‟お金の不安“をなくす』 ― 会社員人生の終活 ―
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