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命を落とす危険も? 参拝するのが日本一危険なお寺に行ってみた

投入堂まで辿り着くも下山中に負傷!

落石注意の看板

登山道には落石の危険も

 最初こそ朱色の立派な橋が架かっているが、そこから先はひたすら獣道のような険しい道が続く。斜面も急で、岩場や木の枝や根っこを掴まないと登れない箇所ばかりだ。所要時間は往復で1時間半~2時間なのでまだ耐えられるが、富士山や北アルプスよりもしんどい。ここは雨が降ったら入山禁止になるのだが、その意味がよくわかった。
くさり坂①

投入堂登山道の難所くさり坂。もはや道ではない

くさり坂② なかでも一番キツかったのは、最大の難所のくさり坂。ほぼ壁に近い状態の岩場が10メートルほど続いており、鎖を掴んでよじ登らなければならない。そのため、腕力に加えて踏ん張る足腰の力も必要で、ここで断念する年配の方が何人もいた。
文殊堂

くさり坂の上にある文殊堂。まさに天空のお堂

 そんなくさり坂の上にある文殊堂は休憩スポットになっており、しかも縁側からの景色は絶景。ちょうど崖の上にお堂があるので転落したら命にかかわるだろうし、高所恐怖症の方にはオススメできないが、辛い思いをして登ってきた価値があったというものだ。
地蔵堂

地蔵堂。こちらも絶景だ

 文殊堂の先には大きな鐘がある鐘楼堂、もう1つの絶景スポットになっている地蔵堂がそれぞれあり、ここを過ぎると5分ほどでようやく投入堂に到着。
三佛寺投入堂

三佛寺投入堂

 投入堂に入ることはできず眺めるだけだが、こんな不安定極まりない場所によくぞ建てたものだと感心してしまう。国宝に指定されているというのも納得だ。
下山も危険

下山中も一瞬も気が抜けない

 ところが、無事辿り着くことができて油断してしまったのか、下山中にうっかり足を滑らせてしまい、右ヒザを岩場に強打して流血。幸い大事には至らなかったが、勾配が急なだけに登るときよりも下山時のほうが危険かもしれない。  まさに身をもって日本一危険であることを体験したわけだが、途中のお堂からの景色は素晴らしいし、登るだけの価値はある。その代償として、3日間の筋肉痛と1週間の右ひざ痛を負ってしまったけど……。<取材・文/高島昌俊>
フリーライター。鉄道や飛行機をはじめ、旅モノ全般に広く精通。3度の世界一周経験を持ち、これまで訪問した国は50か国以上。現在は東京と北海道で二拠点生活を送る。
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