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「高速音読」は頭がよくなってコミュ障も改善? 速読芸人・ルサンチマン浅川

 溜めこんだ仕事の書類、買ったはいいが、なかなか読めずにいる“積ん読”の山……そんな、悩める諸氏に朗報。専門家たちによると、速読を習得するのは、本質を押さえれば意外と簡単。しかも、読書スピード以外の能力の“おまけ”もついてくるというのだ。速読を極めて、人生を加速させよう。
速読芸人・ルサンチマン浅川氏

速読芸人・ルサンチマン浅川氏

●速読芸人・ルサンチマン浅川氏――本名・浅川渉。徳島県出身。早稲田大学社会科学部卒業。’04年に「ルサンチマン」結成、’06年にM-1グランプリ準決勝進出。能力開発が趣味で、日本で唯一の「速読芸人」を自称

速読蔵書200冊!独自の勉強法で一日20冊を余裕で読破

 中学時代に『スーパーエリートの受験術』という書籍の中で紹介されていた速読本を購入して以来25年、速読にハマり続けている「速読芸人」ことルサンチマン浅川氏。セミナーなどには一切参加せず、独自で研究を重ねているというだけあって、速読本の所有数は200冊超。恐らく日本では右に出る者はいないだろう。  速読の近代史にも詳しいとのことで、下記の年表は浅川氏に作成してもらった。 <速読近代史> 1962年 『速読術』(馬淵時彦・藤田拓司著)出版。日本初の速読技術書か 1969年 『速読法情報化社会へのパスポート』(佐藤泰正著)刊行 1970年後半 韓国より『キム式速読術』、『パク式速読術』が輸入される 1980年代 第一次速読ブームへ。加古徳次、佐々木豊文、台夕起子などが台頭 1988年 東京大学卒業の医師、栗田昌裕が『応用自在システム速読法』を刊行。SRS式速読法を提唱 1989年 川村明宏と若桜木虔が「新日本速読研究会」を設立、『左脳らくらく速読術』を出版。ジョイント式速読法を普及させる 1990年代 第二次速読ブーム。さまざまな団体やメソッドが開発される。安藤栄、寺田正嗣、橘遵など“群雄割拠”の様相 2001年 『あなたもいままでの10倍速く本が読める』(ポール・R・シーリィ著 神田昌典訳)出版、アメリカ生まれの速読法「フォトリーディング」が日本に輸入。速読業界の「黒船来航」と呼ばれる 2000年代後半~現在 第三次速読ブーム。従来のメソッドに独自性を加えた速読法が次々と誕生 =====  そんな浅川氏が「最も使えた」という速読メソッドは、’80年代の第一次速読ブーム時代に登場した新日本速読研究会の「ジョイント式」と栗田昌裕氏の「SRS(スーパーリーディングシステム)」。どちらも浅川氏が最初に購入した本だ。 「ジョイント式は視点移動、高速早めくり、ブロック読みという速読の基本トレーニングが中心。初心者でも本を読むだけで速読ができるようになっていきます。非常に実用的なので、パクリ的な本が続々発売されたほど。速読界の開祖本ですね」  一方のSRSは、基本を押さえつつも独自の路線を行く速読法。 「まず考案した栗田氏の経歴がすごい。東大の理学部を卒業後、医学部も卒業していくつも博士号を取得しているので、それだけで説得力があるわけです。技法を説明するのは難しいのですが、要は速読術を入り口として記憶術、思考法、瞑想法、気功など人生全体を開発していくという独自の路線で、目にするすべての光景が速読の道場であるという考え方です」  今では、ビジネス書や経済書であれば一日20冊は余裕で読破できるという浅川氏にとって、速読を身につけたメリットはどこにあるのか。 「文字に慣れているということもあるが、スマホやネットを何時間閲覧してもまったく疲れない。それは、タイトルを見ただけで自分にとって必要な情報か否かを瞬時に判別できるから。ネットのHPも同じです。僕にとって速読とは、不要な情報を弾くためのツールなんです」
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頭がよくなってコミュ障も改善?
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表紙の人/ バチェラー・ジャパン

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