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“起業したけどド貧困”の実情。 Uber Eats配達員のバイトでしのぐ

 起業家といえば、意識高い系の成功者と想像されがちだろう。ベンチャースピリッツがあり、自己実現力がある。起業に興味がない人は、そういう適性がないと起業はできないと考えるため、自ずと起業家は能力が高く、しかもカネを持っているように思われる。
起業家イメージ

画像出典:photoAC

 しかし、起業家の現実はそんなに華やかなものではないとか。その世間とのギャップに悩まされる、ある一人の若手起業家が苦言を呈した。

起業したけどド貧困。若手起業家の苦悩

 久保龍一さん(仮名・23歳)は22歳の時に起業した。 「小さい頃から、自分は大人になったら起業したい、という漠然とした夢がありました。実際に起業した理由は、世の中にまだなかったサービスが作りたいと、大人になってから思ったことでした」  行動力、決断力。起業家らしい意識の高さを感じるが、久保さんの住まいはそのイメージとは程遠い、なんとも慎ましいワンルームだ。
貧困

久保さんの住むワンルーム

 三軒茶屋徒歩7分で、家賃は6万円代。その辺りでも最低水準の家賃だという。 「起業家なんてすごい、意識が高い、と言われるのはちょっと違うな、と思うことも多いです。そりゃあ、世の中の起業家にはそういう人も多いのかもしれないけど、僕は全然そうじゃない。実際、本当に意識が高い人は、自分が作るモノの価値や市場シェア率などを細かく先に考えて、融資を受けて起業します。しかし、誰もがそうやって先に資本を得てから起業できるのかと言われるとそうでもないんです。  例えば、出身が早慶のようなマンモス大で、身の周りに起業家が多い人などは、そういった投資先のツテも得やすいでしょう。投資を受けるためにはツテだけではなく、投資先に自分の企業のアピールをする営業力も必要です。僕はツテも営業力も持っていませんでしたから、投資などは受けず、自分の貯金だけで起業しました。  そうすると、サービスやコンテンツができるまでは赤字になります。僕の場合、起業した会社でWEBコンテンツを受注制作しているのですが、その制作費を別の仕事で稼ぎながら、生活費と制作費を捻出していかないといけないんです」
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この炊飯器を重宝し、お米を主食とした生活をしている

 部屋には洗濯機も冷蔵庫もない。小さなアイロン台の上に炊飯器だけが置いてあり、久保さんは実家である農家から送られてくるお米を主食として生活しているという。  事業を始めて投資家からバーンと投資を受けられる人なんて、ほんの一握り。多くは、よくて信用金庫などから融資(借金)を受けられるか、自分や親族の貯金を切り崩して、マンションの1室で地味に仕事を始めるーーというのが実態なのだ。
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サービスの制作費と生活費をバイト代から捻出する日々
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