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「女系天皇も考慮すべき」は皇室の重みを知らぬ者の言である/倉山満

 二階氏の政治経歴には、特徴がある。まず、田中~竹下~小沢の系統に連なる。建設業界に強い派閥だ。また、野中や古賀、創価学会・公明党も加え、親中派と親しい。自身も選挙区に江沢民の碑を建てようとした筋金入りの親中派である。ライフワークは国土強靭化、派閥のパーティーでも「国土強靭化」を前面に打ち出す、土建業者の利益代表である。  二度も派閥を失っているが、そのたびに復活している。主流派を見分ける嗅覚は抜群で、政界遊泳術は現在の政治家で随一だろう。  本欄で何度も指摘したが、今の安倍内閣の権力構造で、二階氏は中枢に居座る。「安倍一強」を支えるのは、安倍首相の出身派閥である細田派と麻生、二階派である。この三派が組む限り、自民党の過半数である。麻生財務大臣は財務省の走狗であり、二階幹事長の力の源泉は創価学会とのパイプだ。安倍首相は、法律は内閣法制局、予算と行政は財務省、選挙は創価学会に丸投げだから、彼らにだけは逆らえない。  巷で噂の「桜を見る会」を安倍首相は軽く収めようとしたが、二階幹事長に苦言を呈されると無視できない。その二階幹事長が女系天皇を示唆した。危険だ。  万世一系を守るべく、国民が監視しなければならない。
1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『嘘だらけの日本古代史』(扶桑社新書)が発売中

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