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力を合わせて人類共通の敵を倒す/藤沢数希

―[モテる映画工学]―
~映画『インデペンデンス・デイ』~
モテる映画工学

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力を合わせて人類共通の敵を倒す最高傑作のひとつ

 世界が新型コロナウイルスに侵略されつつある。このウイルスは国境も民族も貧富の差も関係なく人類に襲いかかってくる。このような時代に見るべき映画として、まずは『インデペンデンス・デイ』を推したい。人類と宇宙からの侵略者との戦いを描くSF映画の古典である。  独立記念日の数日前、巨大な円盤がニューヨーク、ロンドン、パリ、東京などの上空に突然飛来する。彼らの目的は共生などではなく、天然資源を奪い尽くすことだ。世界中の都市が破壊され、各国の軍が戦闘機でこの宇宙船に反撃をするものの、次々と迎撃される。ついには核ミサイルを撃ち込むのだが、これすらもバリアにより無効化されてしまう。  もはや人類に打つ手なしと思われたが、コンピュータウイルスを敵の母艦に感染させ、都市を攻撃している宇宙船のバリアを一時的に無効化する方法を見つけ、全世界で一斉反撃するという最後の作戦に懸ける。このときにアメリカ大統領が演説するのだが、7月4日は単にアメリカの祝日ではなく、「地球上の人類が共通の敵を打ち倒すために決意した日、人類の独立記念日である」と宣言するのだ。  この映画がまさに人類がどうやって新型コロナウイルスを倒すのか教えてくれている。ウイルスは人から人に次々と感染していかないと生き延びられない。一人の人間の身体の中では2週間と生きられないからだ。もし世界同時にみんなが2週間家に籠もって誰にも移さなければ、理論的には新型コロナウイルスをこの世界から消滅させることができる。今こそ「#家にいよう」で、全世界で一斉反撃するのだ!
物理学研究者、投資銀行クオンツ・トレーダー職等を経て、作家・投資家。香港在住。著書に『外資系金融の終わり』『僕は愛を証明しようと思う』『コスパで考える学歴攻略法』などがある

インデペンデンス・デイ
監督/ローランド・エメリッヒ 出演/ウィル・スミス、ビル・プルマンほか 配給/20世紀フォックス映画 huluなどで配信中
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