80年代に盛り上がったツッパリ文化
80年代は不良やツッパリを主人公にしたマンガや映画も多数ありました。ベストセラーコミック『ビー・バップ・ハイスクール』の映画版(1985年)には仲村トオルさん、中山美穂さんが出演してブレイク。『湘南爆走族』の映画版(1987年)では江口洋介さんが映画初主演、織田裕二さんが俳優デビューを果たしています。そうした時代背景のなか『熱血硬派くにおくん』も支持を集めました。
初代は硬派な番長くにおが親友を襲った不良を相手に戦うという真面目なアクション。しかしなぜかその後、スポーツしたり、時代劇を演じたりとマリオばりの活躍を見せます(笑)。
今回はバラでDLできるので、これぞシリーズの定番という3本を紹介したいと思います。
●ダウンタウン熱血行進曲 それゆけ大運動会
1990年に発売された、凶器、暴力なんでもありの運動会ゲーム。「夢見町クロスカントリー」「障害部屋競争」「棒の上の玉割り競争」「勝ち抜き格闘大会」の4種目で競います。シリーズ屈指の人気を誇る理由は、周辺機器のマルチタップがあれば4人対戦できたこと。まさに放課後集まってワイワイ遊べるタイトル。思い出に残っている人も多いでしょう。
『ダウンタウン熱血行進曲 それゆけ大運動会』。500円のDL版はオンラインでルームを作れ最大4人での対戦もできる
Nintendo Switch Onlineに加入するとファミコン版が無料で遊べますが、こちらの500円のDL版はオリジナル版とともに、バグ、ちらつきなどが修正されたクオリティアップ版が収録され、4人でのオンライン対戦も可能です。
●熱血高校ドッジボール部
『熱血高校ドッジボール部』は、1988年にファミコン版が発売されヒットしたドッジボールゲーム。世界の強豪とドッジボールで勝負し、世界一のドッジボール部を目指します。「なっつシュート」「あっぱあシュート」といった必殺シュートで相手の体力を削るというバイオレンスなドッジボール。サバイバル戦の「くらぶ かつどう」モードでは4人で対戦できました。
『熱血高校ドッジボール部』。80年代はドッジボールが小学生に人気のスポーツだった
こちらも『大運動会』と同じく、Nintendo Switch Onlineに加入するとファミコン版が無料で遊べますが、有料のDL版はオリジナル版とともにちらつきのないクオリティアップ版が収録されています。
●熱血硬派くにおくん
まず1本DLするなら初代『熱血硬派くにおくん』でしょう。ファミコン版は、駅、港、繁華街、暴力団事務所という全4面のアーケード版を受け継ぎつつ一部アレンジ。バイクチェイスステージが追加されるなど工夫のある良移植でした。
ファミコン版の難易度レベル3はクリア不可能レベルな厳しさ。当時あきらめたファミっ子は、大人になった今こそ再挑戦してみては?
初代『熱血硬派くにおくん』のNintendo Switch用ストアサイト。こちらはクオリティアップ版は搭載されていない
累計1000万本という『くにおくん』シリーズ。面白そうと思ったタイトルをDLして、不良に想いを馳せてはいかがでしょう?
ゲーム雑誌・アニメ雑誌の編集を経て独立。ゲーム紹介やコラム、書評を中心にフリーで活動している。雑誌連載をまとめた著作『
はじめてのファミコン~なつかしゲーム子ども実験室~』(マイクロマガジン社)はゲーム実況の先駆けという声も